ライフスタイル
一目置かれるHナンバー。
in Germany
2024年5月21日
自動車大国ドイツでは、街中でクラシックカーをよく見かける。知識がなくても名車だとすぐに気がつくのは、Hナンバーのおかげ。生産から30年以上たち、オリジナルの状態を保った旧車を対象に、自動車を文化遺産として保護するという制度だ。「Historisch(歴史的な)」のHを右端に記したナンバープレートを取得すれば、旧車でも年間の自動車税が大幅に減税され、排ガス規制のある「環境ゾーン」での走行も可能。愛車が文化財として認定される誉れだけでなく優遇措置もあるなんて、車好きにとっては夢のよう。羨ましい。
FERRARI DINO 3O8 GT4 – 1976
『Lodown Magazine』でこれまで6号も車の特集を作ってきたほど、大の車好きとして知られるトーマス。ベルトーネ社のマルチェロ・ガンディーニが手掛けたデザインとパフォーマンスに惚れ込んで購入したのが、ディーノ308 GT4だ。フェラーリ初のV8エンジンに角張ったボディはベルリンでも存在感抜群。’70~’80年代のスポーツカーの美学を愛し、構造を理解してるからこそ、修理やメンテナンスも自らこなしてしまうとか。
左/ウェッジシェイプやブーメラン型のエアインテークなど、’70年代らしいディテールに注目。
右/機能的なインパネや近未来的なデザインがかっこいい。
オーナー

Thomas Marecki(51) 『Lodown Magazine』ファウンダー
「クラシックカーに乗り続けることは、僕にとっていい趣味でありこだわりだね。Hナンバーは歴史的な自動車の保存に貢献するいい制度だし、2年ごとにチェックプレートを取得するくらいで、維持が難しいってことはないよ」
DODGE DART – 1966
「’60年代のアメ車でコンパクトなステーションワゴンがずっと欲しくて、2016年にフランスのニースで見つけたんだ」。ポパイの2022年の車特集でも取材したカーミーティング「espresso GT」を主催するマックスの願望を叶えたのが、1966年式のダッジ・ダート。ノスタルジックで渋いロングボディな外観に、シートベルトのない6人乗りベンチシート。ちょっと色あせてきた塗装も実にいい味を出している。
「とにかく後ろを見て!」と言われて納得。リアウィンドウを閉めてトランクを開けると、バイクや荷物をバッチリ積み込める広いスペースが登場。「夏にガールフレンドや愛犬と一緒に、湖やキャンプへ行くのが楽しみなんだ」
オーナー

Maximilian Funk(38) 『SuperPlus Media』&『Craftwerk Berlin』共同創設者、『Reload.Land』ファウンダー
「オリジナルの状態は1つしかないから、傷やへこみも全部気に入ってるんだ。車が好き過ぎて、まだまだ集められるし、ガレージで待ってるプロジェクトカーも増えてきているよ。最大の問題は、愛車の奴隷になってしまうことだけどね(笑)」
PONTIAC LEMANS SPORT – 1970
「最初はマッスルカーの定番モデルを考えてたんだけど、特別でニッチなモデルを探すようになって見つけたのがこれ」。アメ車好きの父の影響を受けたジラスは、「espresso GT」の常連オーナー。愛用するポンティアック・ルマン・スポーツは’70年代のアメリカン・スポーツカーを象徴する一台。そのパワフルな外観に撮影中も人が集まってきて、自慢のエンジンをブォンと吹かすサービスも。
車体色と同じ赤で統一されたインテリア。「54年前のモデルだから、マッチする部品や塗料が流通していなかったり、正直いくつかダメージもある。でもやっぱりヴィンテージ感を保ちたいから、今後もカスタマイズするつもりはないね」
オーナー

Silas Herzog(27) 青少年福祉エデュケーター
「クラシックカーの魅力は、歴史の一部を所有して、人に見せることができるって感覚かな。希少なモデルだし、愛車を見た大半の人が喜んでくれる。僕みたいにモータースポーツ性の高い車のオーナーは、Hナンバーを取得することでコストを削減できるんだ」
PEUGEOT 5O5 GTI – 1983
家族揃ってフランス車好きというエリアスは、生まれた頃から車に夢中。Hナンバーの存在も父から知った。フランス産で希少、旅行にも行けるスポーティな車を求めて思い浮かんだのが、「フランスのBMW」ことプジョー505。大半がアフリカや中東に輸出されたモデルだから、探し続けてやっと3年前に出合った相棒だ。頑丈でスポーティだから、ドライブ旅行にもぴったり。現在はコート・ダジュールやイタリア、スペインなどを目指す、’80年代風のドライブ旅行を計画しているとか。
「505 GTIで革張りシートは珍しいし、ましてグリーンなんて見たことないよ。当時は高価な特別オプションだったらしい。’80年代初頭のフランスの美学を完璧に象徴してる配色が最高だね!」。シートは驚くほどふかふかで、乗り心地抜群だ。
オーナー

Elias Holdenried(28) モーター・ジャーナリスト
「技術的にもデザイン的にも、車ほどその時代と精神を象徴するものはないよ。味気ないSUVが台頭しているストリートをクラシックカーで盛り上げないとね」
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