毎月、連載「続！味な店」でフードエッセイストの平野紗季子さんにくっついて良き店を探す我々。今度台北に行くんですと言ったら「胡椒餅の“袋”が気になるんですよ。ずらっと並べてみたくて」。確かに、目を閉じて浮かぶ胡椒餅の姿は袋入り。さては脳はあのフォントやデザイン込みで「コショウモチ、オイシイ」と判断をしているのかもしれない。袋と味の因果関係を探ろうとはさすが味マスター。というわけで、平野さんの命を（勝手に）受け、胡椒餅と袋を大調査。デザインと味のベストも（これまた勝手に）決定！

　ジューススタンド併設の屋台は現在の若旦那で4代目、推しは皮のサクサク感で、帰ってトースターで焼くとより美味しいとのこと。袋のQRコードを読むとFBに飛ぶ。いいね！

「みんな味が同じだから変えてみた」という2代目が、チーズ、キムチ、スーパースパイシー豚肉の3種の味を開発。写真のチーズは胡椒感がマイルドになって激ウマ。似顔絵付き。

　萬華で70年前に創業し10年前にこの場所に移転。だから味は萬華仕込みで、肉に宜蘭の三星葱を練り込み、シャキシャキ感を出している。胡椒感は薄め。

　1951年に師範大学で始まり、台湾大学前の2店舗目も人気。牛、豚、カレーマトン、カレーチキンと具材が選べる珍しいお店で、写真は牛。台北胡椒餅の定番デザインが渋い。

　迪化街で創業し、20年前に移転。だから袋にも「大稻埕古早味」（ダーダオチェンの懐かしい味）とプリント。金魚は「また食べたくなるよ……」と呟いている。エモい。胡椒は強め。

　饒河街観光夜市の松山慈祐宮側入り口にある大行列の正体はこれ。6個の釜から生み出される胡椒餅は、かじると肉汁が滴るほどの肉肉しさ。士林夜市と台北駅南側にも店舗あり。

　素食（ベジタリアン）のピザ店が作る、ベジミートを使った胡椒餅。乳製品はOKでチーズ入り。イラストは店主直筆で、店名もゴジラだしゴジラっぽいけどゴジラじゃないらしい。

　袋には丸に武印の帽子をかぶったメガネの何者かと釜が描かれているが、店頭にあるのは多分ガスオーブン。とはいえ餡は三星葱がたっぷりで、皮もデニッシュっぽくて美味。

　フランスパンみたいな生地に、甘めの餡がギュッ。龍山寺の路地裏で作られる、これぞ“THE胡椒餅”な一品。龍山寺散策の観光客からバイクで乗り付ける地元っ子まで大人気。

　問屋街のど真ん中に店を構え、焼き上がり時間には即売り切れてしまう人気店。袋も縦書きで男前。口頭で伝えればOKなのでぜひ予約を。あと肉汁ジュワッなので要ティッシュ。

※2019年4月時点の情報です。最新の情報は公式サイトにてご確認ください。