カルチャー
あなたにとってのシティボーイとは?Vol.2
2024年2月18日
『ポパイ』が“City Boy”を再び掲げ、早4年。思い描く“像”は、今でも人それぞれだからこそ、このあたりでもう一度、この問いを14人に投げかけたい。
ミュージシャン、スチャダラパーMC
ANIにとってのシティボーイ
自分なりに考えるシティボーイというのは、まずその街に生まれ、その後もずっとそこで育ち、生活し続ける人かなぁ、という気がします。東京はもちろん、他の都市でも。そう考えると、そんな知り合いは意外と少ない気がする。そんな中、知り合いのシンゴスターはなかなかのシティボーイなんじゃないでしょうか。知り合ってもう20年以上になりますが、オシャレだし、独特な美学の持ち主です。その美学は独特過ぎてなかなか他の人には理解されなかったりすることも多いです。千鳥の言い方を借りれば、「クセがスゴイ」です。が、僕は嫌いじゃないです。先に行き過ぎて周回遅れに見えたりするんですが、シティボーイならではの照れと自嘲が交ざってて、なんかいいなぁと思います。(談)
写真家
石川直樹にとってのシティボーイ
ぼくの知っているシティボーイたちは、なぜかみんな東京以外の出身だ。地方から東京にやってきた人たちは、東京生まれの自分よりもよっぽど流行に敏感で、人から見られることに対して意識的な人が多いと感じる。が、ぼくが考える本当のシティボーイは、東京生まれ東京育ちにもかかわらず、流行とは無縁に自分の軸を持ち、人からどう見られようが自分はこう見る、という自我を持った人。五反田生まれ、男子校育ちの前田さんはまさにそんな人なのだが、でもふにゃふにゃと柔らかいところもあり、超自然体の人でもある。巷の動きに安易に乗らず、でも世間に背を向けているわけでは決してない前田さんが、ぼくにとってのリアルシティボーイ像なのだ。
「ユナイテッドアローズ」上級顧問
栗野宏文にとってのシティボーイ
ポール・スミスさんは僕たちにとってシティボーイの代表であり大先輩です。常に好奇心とオープンマインドを保ち、日々の暮らしを楽しく意味あるものとする人。田園に旅してもその感動を街の暮らしのエナジーにできる人。自分と等しく他者の暮らしやハピネスにも想いを馳せることができる人。創意工夫に満ち、そして何よりもユーモアを欠かさない人。そんなポールさんは年齢を超えてBOYであり続けているステキな存在ではないでしょうか。
イラストレーター
みうらじゅんにとってのシティボーイ
残念なことにシティボーイとは僕のことなんです。まず、シティに暮らしてますからずっと。服は伊勢丹メンズ館ですべて済ましてますし、帰りは必ずゲーセンに寄って大して欲しくもないヌイグルミをUFOキャッチャーで2個以上はゲットします。自慢じゃないけど気持ちはボーイで日々、不安タスティックに暮らしているのです。
編集者、TRIPSTER代表
野村訓市にとってのシティボーイ
シティボーイというんだから、都会育ちで、周りの流行りとかに流されない人。格好もそうだし、やることも何もかも自分のペース。都会が自然の環境だと思ってるから、都会と自然、その両方に暮らしてバランスをなんて言わない。食べ物だって好きなものを食べる。SNSもやらない。周りのみんなが知ってることを知らなくても、ちっとも慌てない。すると周りがその人のことを気にしだす。そう考えるとウェスはまさにシティボーイにぴったり当てはまる。流行には無関心だし、SNSはやらないし、自分だけの好きな場所で食べて、まるで一人違う地図を持っているような。なのに人はウェスをニューヨーカーのアイコンと呼ぶのだから。
漫画家、タレント
蛭子能収にとってのシティボーイ
“シティボーイ”って大竹まことさんでしょうか? なにせ洒落た感覚がないもので正直どんな人が、というのはわかりませんが、シティボーイにはおしゃれでただただかっこいい人というイメージを持っています。それに当てはまるとしたらリリー・フランキーさんがそうかなと。ここ半年間で観た映画には、なぜか必ずといっていいほど彼が出演しているんです。一人だけ異様にリアリティがあって、なにげない普通のセリフでも強烈に印象に残る。そしてやっぱりかっこいい。『バクマン。』のようなエンターテインメントから戦争映画の『野火』まで、どんな舞台にも馴染んでしまう彼には何かすごい力がありますね。最近ずっと彼のことが気になっています。(談)
文筆家
せきしろにとってのシティボーイ
シティボーイに必要なものはお笑いセンスである。それがなければただの流行りの服を着ている人にすぎない。例えばシティボーイらしからぬ失敗をしてしまっても、言葉のセンスでカバーしてしまう。失敗を前フリにさえしてしまう。これがカッコよくないわけがないだろう。天久聖一氏はそれができてしまう人なのだ。
編集者
井出幸亮にとってのシティボーイ
生粋のシティボーイなのに「I’m just a country boy」と歌った男。’60sロンドンのモッズ・ヒーロー、スモール・フェイセズ一の洒落者だった静かなるベーシストは後身バンドのフェイセズで大成功を収めるも、権力争いが嫌いな性格からロックスターの座を捨て脱退。稼いだ金を夢だった「移動スタジオ」に注ぎ込み、テント小屋で各地を巡る旅芸人一座を結成する。しかし大好きな古きよきアメリカン・トラッドを気ままに奏でる興行は失敗、難病の多発性硬化症に侵されてしまう……過酷な後半生の中でも、いつもイナタい3ピースのスーツで決め、笑顔でほのぼのとした歌を聴かせたロニー。何かに憧れ、その道程で自分を知る、それがシティボーイ・ライフだと思う。
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