カルチャー

全国5都市全14公演!ニューヨーク単独ライブ直前インタビュー【前編】

今年も開催!1万人の動員を目指す、新境地。

2023年6月17日

photo: Takao Iwasawa
text: Neo Iida

ニューヨークの単独ライブ「虫の息」が、7月・8月にわたって開催される。その規模は過去最大となる全国5都市全14公演! 述べ1万人の動員を見込んでいる。現在『超絶限界~ソコまで見せる!? 大百科』(フジテレビ)や『まだアプデしてないの?』(テレビ朝日)、『マッドマックスTV論破王』(テレビ朝日、ABEMA)などでのMCや、『ラヴィット!』(TBS)の木曜レギュラー出演など、バラエティ番組での活躍も華々しい二人だが、2013年から最低年1回の単独ライブを欠かさず開催している。昨年同様まだ何も始まっていない、吉本東京本社でのライブ一ヶ月前インタビュー。

俺らの単独を観たことない人が、全国から減っていけばいい。

――今年の単独ライブは「全国5都市で開催、1万人を動員」ということですが、率直なお気持ちはいかがですか?

屋敷裕政(以下、屋敷) 年々規模が大きくなってるんですよね。決まった時はめっちゃドキドキしました。でも今は先行販売も終わって、なんとなく見えてきた感じはあります。

嶋佐和也(以下、嶋佐) ありがたいことにたくさん予約していただいて。ただ、まだ全公演埋まってないんですよ。

屋敷 とにかく札幌。

嶋佐 札幌ですね。

――札幌ですか。

屋敷 鬼門中の鬼門ですね。埋めればなんとかなるかなっていう。

嶋佐 埋まるのかなっていう。

――寒い地域はあまりお笑いに積極的ではない、みたいな話ありますよね。

屋敷 社員さんも、売れんってなってからそんなこと言い出しました。「もともと北海道は……」とか言って。いやでも2公演あるやんて。

――バニーガールバーは楽しいですもんね。

札幌の出番後、ニューヨークは以前YouTubeで訪ねたバニーガールバーと伝説の再会を果たす。(2023年5月28日配信【第215回】ニューヨークのニューラジオより)

嶋佐 北海道はバニーガールバーが最高ですね(笑)。

屋敷 なんかタイアップとかできひんかな。お店のタダ券配るとか。

嶋佐 僕らめちゃくちゃお金使いますよ。

――(笑)。きっと来てくれますよ。今回は東京をはじめ、札幌、大阪、名古屋、福岡の5都市を回りますよね。いつもの劇場でネタをやるのと、地方でライブをやるのとでは、面白さの感覚って違いますか?

屋敷 単独で地方を回るようになったのが去年の福岡からなんです。だからまだあんまり実感ないかもですね。単独じゃなくても、空気階段と一緒に北海道行ったり、ダイタクさんと名古屋行ったりしたのは楽しかったですけど。

嶋佐 地方の打ち上げはより開放感ありますね。昨年の福岡では、ひょんなことからマキシマムザホルモンのナヲさんとマキシマムザ亮くん、10FEETのTAKUMAさんとナオキさん、Hey-Smithの猪狩さんと打ち上げするっていう不思議な流れになって。たまたま皆さんも福岡でフェスがあったからなんですけど、めちゃくちゃ楽しかったです。

屋敷 単純に、俺らの単独を観たことない人が全国いろんなところから減っていけばいいなっていう思いがあるんで。漫才は見たことがあるけど単独ライブは見たことないっていう人がまだいるはずなんで。特に札幌は多い気がしたから、2公演やるんですけどねえ。

嶋佐 来てくれないともう行かなくなっちゃうよ! って言いたいですね。バニーガールバーには行きますけど。

むかつくことをネタにするより、おもしろがるポイントを探す割合が増えた。

――今回の単独ライブのタイトルは「虫の息」で、シニアなお二人のビジュアルが意味深です。内容とはリンクしてくるんでしょうか。

ニューヨーク単独ライブ「虫の息」
「虫の息」のイメージビジュアル。老いた二人のポートレートが印象的。

屋敷 いや、そういうわけではないですね。そもそも何も決まってないですし。

嶋佐 毎年、まだやってないタイトルとかコンセプト、やってないパターンはないかなって探すんですよ。その流れで今回はああいうビジュアルになりました。

屋敷 タイトルはオンラインサロンの皆さんやマネージャーに意見を出してもらうなかで決まった感じですね。

――マネージャーの小賀さんが出したというタイトル案「コンプラアレルギー」も面白かったです。

単独ライブ開催決定を発表したラジオ。1万人動員の喜ばしい報告のはずが、途中から「なんであのときいけると思ったの?」「無理やろ1万人なんか」とテンションがダダ下がりに。(2023年4月23日配信【第210回】ニューヨークのニューラジオより)

屋敷 (笑)。いま結構いろんな番組で番宣させてもらってるんで、もし「コンプラアレルギー」にしてたらやばかったなと思いますね。

――小賀さんはなぜ「コンプラアレルギー」を思いついたんですか?

小賀 ……なんですかね。造語なんですよ、普通に。

――「コンプライアンス」と「アレルギー」を掛け合わせたと。

小賀 はい。

嶋佐 いやダメだよ、掛け合わせちゃ。

屋敷 響きはいいんですけどね。意味がやっぱダサすぎるんで。

――(笑)。マネージャーさんも一緒に考えるんですね。

屋敷 去年からですね。小賀くんが「僕も出していいですか?」っていくつか案をくれて、チーフマネージャーも出してくれるようになって。

嶋佐 最終的に決めるのは自分たちですけど。

――現在(5月31日時点)の進捗具合はどれくらいですか?

嶋佐 いつも単独では撮り下ろしのVTRを流すんですけど、そのロケの日程が決まったくらいですね。絶賛制作中です。

屋敷 よく「今は全体の何%ですか?」って聞かれるんですけど、自分らでもわからんっていう。ゼロではないです。結構前からリモートでネタ合わせして、ちょこちょこアイデアとか種みたいなのは出てる感じです。でもおもろいかどうかは形になるまでわからないんで。

――リモートではそれぞれがネタを出し合うわけですか?

屋敷 「出し合う」っていうほどいい表現じゃないですね。僕らと作家さんとで世間話をしながら作ってるんで。

――誰かが「こんなのどう?」とある程度出来上がったネタを持ってくることはないんですか?

屋敷 ないですね。話しながら出来ていく感じです。

嶋佐 このやり方は昔から変わらないですね。

――そうなんですね。でも、昨年の単独の取材でもお伺いしましたが、状況が変わるごとに物事を見る視点って変わってくると思うんです。それを踏まえると2023年の今回はいかがですか?

屋敷 確かにねえ。おじさんにもなってきましたしねえ。

嶋佐 あ〜、難しいっすね。やっぱり。

――例えばリモート会議までに「チッ」と思うような出来事を溜めておくとか……?

屋敷 うーん、最近はむかつくことをネタにしていくより、おもしろがるポイントを探す割合が多いかもしれないですね。世直しみたいなネタよりも、ああいうヤツおもろいよな、ヘンやよなって。日常生活の違和感から作ることもあります。

嶋佐 最近の変化でいうと、作家さんが忙しいっていうのもありますね。ずっと一緒にやってる今井太郎さんは、今ちょうどドラマ『だが、情熱はある』の脚本を書いていて。絶賛放送中なんでバッチリ被っちゃって。

屋敷 そう。作家さんがどんどん売れてきて、レギュラー番組を持ち出して。みんなでスケジュールを合わせるのが難しくなりましたね。

嶋佐 そのへんは大変っすね。

――作家さんの存在も大きいですよね。データ販売されている過去の単独ライブ映像では、副音声で作家さんとニューヨークさんのライブ裏話が聞けて面白いです。2021年の「Naturals」には関野さん、2022年の「Last Message」では今井さんと関野さんが参加されていて。

嶋佐 そう、僕らデータ販売やってるんで。「Last Message」は副音声と密着VTRが付いてきますから。ぜひ見てほしいです。

プロフィール

ニューヨーク

屋敷裕政と嶋佐和也によるお笑いコンビ。NSC東京校で出会い、2010年にコンビを結成。ヨシモト∞ホールで活躍後、2019年と2020年の『M-1グランプリ』に2年連続で決勝進出。『キングオブコント2020』準優勝。2019年1月から公式YouTubeチャンネルを開始し、週1回の生配信「ニューヨークのニューラジオ」をスタート。『超絶限界~ソコまで見せる!? 大百科』(フジテレビ)、『マッドマックスTV論破王』(テレビ朝日、ABEMA)、『まだアプデしてないの?』(同)、『ラヴィット!』(TBS・木曜レギュラー)などに出演。2022年に行われた単独ライブ『Last Message』の公演データを「MOSH」で販売中。

インフォメーション

ニューヨーク単独ライブ「虫の息」

ニューヨーク単独ライブ「虫の息」

〈開催日程〉

・名古屋(名古屋市芸術創造センター)
7月12日(水)18:00 開場 19:00 開演

・福岡(よしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場)
7月22日(土)①12:00 開場 13:00 開演 ②16:00 開場 17:00 開演

・大阪(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)
8月5日(土)①12:00 開場 13:00 開演 ②16:00 開場 17:00 開演
8月6日(日)①12:00 開場 13:00 開演

・北海道(共済ホール)
2023年8月11日(金)①12:00 開場 13:00 開演 ②16:00 開場 17:00 開演

・東京(東京芸術劇場 プレイハウス)
8月17日(木)18:00 開場 19:00 開演
8月18日(金)18:00 開場 19:00 開演
8月19日(土)①12:00 開場 13:00 開演 ②16:00 開場 17:00 開演
8月20日(日)①12:00 開場 13:00 開演 ②16:00 開場 17:00 開演

〈チケット情報〉

前売5,000円(税込・全席指定。FANYで販売中)

※未就学児童不可
※当日券に関しては要問い合わせ

〈オンライン配信〉

8月20日(日)東京芸術劇場プレイハウス公演
配信開始17:00、配信終了18:30、チケット 2,000円(税込)FANYで販売中

※見逃し視聴は8/22(火)17:00まで
※販売は8/22(火)12:00まで