カルチャー
【#3】1999港横浜レゲエタイムス
2022年12月28日
text: Kazuharu Igarashi
そして迎えた世紀末。ノストラダムスの大予言の1999年。
高校3年の春に参加したホンマタカシ氏のワークショップをきっかけに写真家を志した五十嵐青年は日芸写真学科の受験に失敗し、当時存在したムサビの短大の生活デザイン学科というところに入学し勉強していました。
デザインの基礎から編集デザインなどの勉強をするコースだったのですが、写真のことは諦めきれず悶々とする日々。
写真の専門的な教育も受けていないし知識もないけれど「誰も撮っていないものを撮りたい」と理想だけは大きく持っていた矢先に発見したのが冬の時代のダンスホールレゲエだったのでした。
自らレゲエのサウンドを始めた高校の同級生から「港横浜レゲエタイムス」というフリーペーパーがカメラマンを募集しているらしいと教えてもらい、石川町にあった編集部兼レゲエ専門レコード店「北中45」にそれまで撮ったラッパーの友人のライブ写真や、フロアから勝手に撮ったアーティスト達のサービス版プリントをセブンイレブンでA4サイズに拡大カラーコピーして無印良品のクリアファイルに入れたブックを持って面接に向かったのでした。(人生初の持ち込み営業!)


結果は無事採用。
ちなみにノーギャラ、経費もフィルム代しか出ない、現像プリント代はこちら持ち。という契約だったけど「誰も撮っていないものを撮れる権利」を手に入れられたし、カメラマンと自称できるのがとても嬉しかったことを書いていて思い出しました。
さて、はれて「港横浜レゲエタイムスのカメラマン」という肩書きで横浜のレゲエに関わる写真を撮ることになり、それからはほぼ毎週のように横浜や東京で行われてるダンス(レゲエ業界ではイベント、パーティーのことをダンスと呼びます)に赴き撮影をするようになります。その頃撮った写真がこちら↓




しかし、20歳の青年男子がレゲエ業界にいると写真だけを撮ってるわけにはいきませんw
撮影の前後に「スピーカー運び」とう力仕事が付いてくる事がありました。
例えば某サウンドが横浜のクラブでダンスを開催するとなると、、、
19時くらいに倉庫に集合して、スピーカーをトラックに積み込み。
20時くらいにクラブに運び入れ、スピーカーを組み立て。
21時くらいに飯を食い。
22時くらいからダンスが始まり。
朝まで写真を撮る。
翌朝6時にダンスが終わり、スピーカーをバラし。
7時半くらいに倉庫にスピーカをしまい。
8時くらいに朝飯を食って解散。
まだ元気なツレがいたりするとそこからあの娘が回ってきて撃沈。
というような感じです。めちゃタフ。
下積み時代にサウンドシステムの積み下ろししてた写真家はあんまりいないですよね。

ちなみにその頃流行っていたのはこんな曲達。
BRUK OUT RIDDIM
https://www.youtube.com/watch?v=Xp-p8FtMILU
STREET SWEEPER RIDDIM
https://www.youtube.com/watch?v=9iCE3dbYZ-0
ダンスホールレゲエってひとつの同じRIDDIM(HIPHOPでいうトラック)で様々なアーティストが歌うんですね。
なので良い曲だけでなく良いRIDDIMとしても歴史に残っていくという、面白い文化ですよね。
あまりダンスホールレゲエを聞かなくなった最近でも好きなRIDDIMのイントロを耳にすると血が騒ぎます。
東京のおしゃれでクールな文化に憧れたいた反動なのでしょうか、「ローカルならではのいなたさとかっこよさ」を持った本場ジャマイカの音源とそれがかかるダンスホールレゲエとその現場にドンドンのめり込んでいったのでした。
プロフィール
五十嵐一晴
いがらしかずはる|1978年、新潟県生まれ。フリーランスフォトグラファー。神奈川県出身&在住。武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業。INFAS THE STUDIO 235を経て2004年よりフリーランス。インディペンデント音楽レーベルPanPacificPlaya構成員。家庭内無砂糖菜食主義11年目。
Instagram
https://www.instagram.com/kazuharu_igarashi/
Official Website
https://kazuharuigarashi.com
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