カルチャー
さーて、11月はどんな展示に行こうかな。
芸術の秋延長戦で行きたい展示6選。
2022年11月11日
text: Ryoma Uchida
クリスティアーネ・レーア「その瞬間に自らを留める」
@タグチファインアート
ドイツとイタリアを拠点とするアーティスト、クリスティアーネ・レーアの個展が、日本橋に居を構えるギャラリー、タグチファインアートにて開催中。いくつもの大学で考古学、歴史学、美術教育などを研究してきた才人・クリスティアーネ・レーアが作る彫刻作品では、通常用いられない植物の種子や茎、馬や犬の毛といったモチーフが扱われている。美しく、繊細で儚げな印象を受けるが、よ〜く見てみるとその素材本来がもつ数学的な法則や構造の力強さが引き出されており、思わず吸い込まれてしまうこと間違いなし。
会場:タグチファインアート
会期:開催中〜2022年12月24日(土)
時間:13:00〜19:00
休み:日、月、祝日 ※11月7日(月)〜25日(金) 休業
料金:無料
伊藤道史「私であることの試み/CONATUS」
@NEORT++
デジタルアート専門の展示空間、NEORT++が今年4月、馬喰町にオープン。伊藤道史による本展覧会では、会場に設置されたベッドに横たわり、VRヘッドセットを装着することでドキュメンタリー映像を体験できる。筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う人物へのインタビュー作品や、VR睡眠についての思索など複数の主題によって構成。VRによって「もしかしたらあり得たかもしれない世界」を体験することで、当たり前の価値観を揺さぶられるはず!
会場:NEORT++
会期:開催中〜2022年11月13日(日)
時間:14:00〜19:00
休み:月、火、祝日
料金:無料
OPEN SITE 7
@トーキョーアーツアンドスペース本郷
トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)による企画公募プログラムOPEN SITE。2016年からはじまり、第7回となる今年は135企画の応募の中から展示やパフォーマンスなど9企画を選出。そこにTOKAS推奨企画と普及プログラムを加えた合計11企画を実施。キュレーションされ、テーマの統一性をもつような通常の展覧会とは違って、アーティストそれぞれに異なるテーマと表現方法で作品を探究しているから面白い。パフォーマンス公演及び一部のイベントは予約制なのでサイトをチェック。たくさん刺激をもらえそうだ!
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
会期:[Part 1]2022年10月22日(土)〜2022年11月27日(日)/[Part 2] 2022年12月10日(土)〜2023年1月22日(日)
時間:[展示] 11:00-19:00/[パフォーマンスなど]企画により異なる。
休み:月曜日(1/9は開館)、11/28-12/9、12/29-1/3、1/10
料金:無料(パフォーマンスは有料)
棚田康司展「はなれていく、ここから」
@ミヅマアートギャラリー
本展のタイトル「はなれていく、ここから」は近年の「分断」のムードを想起させる。これまでの彫刻作品では、時事的なモチーフを直接には避けてきたという棚田だが、この度展示される新作の絵画シリーズでは「今をどう生きていて何を見ているのか」という新たな視座が示されている。そこではさらにジェンダーやセクシュアリティなどの問題に目を向けるだけではなく、人体のヌードをいかに肯定するのかという彫刻家ならではの視点で作品にアプローチされているというから注目だ。
会場:ミヅマアートギャラリー
会期:開催中〜2022年11月26日(土)
時間:12:00〜18:00
休み:日、月、祝日
料金:無料
長尾恵那 I like music.
@gallery UG Bakurocho
どんなSNSにも「いいね」を押す機能があるけれど、押したときに本当にいいねと思っているかどうかは要審議。現代社会はあまりに情報が多いから、もう何が良くて悪いのか、そんなことを考える時間もない。色々とサジェストされるうちに、いつの間にか自分の価値観なんてものもどこかに消えてしまっているような気がする。だからこそ『「好きなものは好き」と素直に表現できることの価値を改めて考えるようになりました』という作者の言葉に非常に共感してしまう。自分の気持ちに丁寧に向き合うヒントがありそうだ!
会場:gallery UG Bakurocho
会期:開催中〜2022年11月12日(土)
時間:11:00〜18:00 *最終日のみ16:00まで
休み:日曜日
料金:無料
判断の尺度 vol.4 大木裕之|tiger/needle とらさんの墨汁針
@ gallery αM
「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざをちょっと信じていたりする。人生のあらゆる経験が積み重なり、今に現れているように、この社会は連想ゲームのように一見関係のないところにも因果関係が生じていたりするものだ。gallery αMによるプロジェクト『判断の尺度』シリーズ第4期目はアーティスト・大木裕之による展示。そこではいくつもの時間や場所・出来事のイメージが作品のなかに同時にすくいあげられ、まさに”積み重ね”られている。とても詩的な映像作品だ。全部見たいから時間に余裕を持っていこう。
会場:gallery αM
会期:開催中〜2022年12月17日(土)/12月23日(金)
※展覧会は12月17日で終了し、12月20日から12月23日は公開で搬出作業等を行なう。
時間:12:30〜19:00
休み:日、月、祝日
料金:無料
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