カルチャー

さーて、8月はどんな展示に行こうかな。

日常を見つめ直す展示6選。

2022年8月14日

トーキョーアーツアンドスペースレジデンス 2022 成果発表展「水路から柔い空へ」
@トーキョーアーツアンドスペース本郷

ルーベン・デルス 《耳鳴りを緩和させるもの》
ルーベン・デルス 《耳鳴りを緩和させるもの》
写真:髙橋健治

 トーキョーアーツアンドスペースが、さまざまな分野で活動するクリエーターたちへ滞在制作の機会を提供するレジデンス・プログラム「クリエーター・イン・レジデンス」。本展はその成果展。人々の交流が制限され、自分自身を見つめなおす機会が多かった昨今。アーティストもまた同じようにその状況下で時を過ごし、より内省的なテーマへと深堀されたサイトスペシフィックな作品が制作されている。コロナ禍で、社会というのが実は不安定なことが明らかになり、なんとなく感じたモヤっとした虚無感。ほんとうは整備された都市の下には水路が流れ、東京の高速道路の上にも、世界中の人々の頭上にも柔らかな空が広がっている。その気配や発見はきっと今誰もが共感してしまうのではないだろうか。

会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
会期:2022年7月9日(土)~8月14日(日)
時間:11:00〜19:00(最終入場は30分前まで)
休み:月曜日
料金:無料

patchwork my city
@PARCEL

patchwork my city

 スタジオジブリの名作「となりのトトロ」で、主人公の子どもたちはトトロへと繋がる森の抜け道を発見するが、それは子供が自由に目にしている世界と大人が認知する世界とは眺めがまるで違うことを表しているともいえる。私たちもいつのまにか“正しく”街を歩き、行動するようになった。「patchwork my city」と題し、都市の断片を繋ぎ合わせることをテーマにしたこの展示では、匿名アーティストグループEVERYDAY HOLIDAY SQUADが地図をパッチワーク(解体/再構築)し、現代の東京の姿を様々な角度から捉え直すことを試みる。作品は、地図としては実用的ではないのかもしれないけれど、鑑賞者の生活に新たな眼差しをくれるガイドマップになること間違いなしだ。

会場:PARCEL
会期:2022年7月16日(土)〜8月28日(日)
時間:14:00〜19:00
休み:月曜・火曜日
料金:無料

浅間国際フォトフェスティバル2022 PHOTO MIYOTA
@MMoP(モップ)

浅間国際フォトフェスティバル2022 PHOTO MIYOTA
©️Viviane Sassen. Courtesy of Stevenson,

Amsterdam, Cape Town and Johannesburg.

 五感で感じるアート写真の祭典「浅間国際フォトフェスティバル」。「Mirrors & Windows」という今年のテーマは、自己の内側を示す鏡と、世界の外側を示す窓という写真の本質と可能性の意が込められているそうだ。展示には石内都やヴィヴィアン・サッセンをはじめ見逃せない作家たちの作品がずらり。浅間山麓の美しい自然の中で楽しく体感していくことで作品の「解像度」があがるに違いない。さまざまなイベントやワークショップのほかにも、今年は仮想空間に広がるバーチャルフォトフェスティバル「PHOTO ALT(フォトオルト)」も同時開催中なので、HPから今すぐ参加しに行こう!

会場:MMoP
会期:2022年7月16日(土)~9月4日(日)
時間:10:00~17:00(屋内展示の最終入場:16:30)
休み:水曜日(8月10日を除く)※屋外展示は鑑賞自由。
料金:500円(一部建物のみ有料、小学生以下無料)

景観観察研究会「八甲田大学校」
@ 青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)

景観観察研究会「八甲田大学校」

 アート(art)という言葉の語源はギリシャ語で「技術」を示すアルス(ars)からきているといわれている。アーティストと研究者たちで構成されたコレクティブである景観観察研究会は、「古来、芸術と科学は一体であり、僕ら人間の生きる術(すべ)であった。」という視点に立ち返り、八甲田連峰のふもとという自然環境を活かしながら、芸術から学術の垣根を超えた作品やプログラムを展開する。そこで得られる体験や知識は、まさに私たちのこれからの生きる術になっていくに違いない。

会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)
会期:2022年7月16日(土)〜9月25日(日)
時間:10:00〜18:00(展示棟ラウンジは9:00-19:00)
休み:会期中無休
料金:無料

内山聡 個展 “ WORKS ”
@亀戸アートセンター

内山聡 個展 “ WORKS ”

 アートユニット2blksが運営するアートギャラリーと喫茶&酒場スペースを併設したオルタナティブスペース・亀戸アートセンターで、アーティスト・内山聡の個展 “ WORKS ”を開催中。工業的な生産と人間的な生活という現実を描き出す内山。労働にも似た機械的な作業の繰り返しの末に生み出された”絵画”作品は、我々の日常そのものを映し出している。まるで現代社会を鳥瞰するような不思議な気持ちにさせてくれる作品だ。Tシャツやパーカーなどの布ものを持参すれば、本展のコンセプトイメージをシルクスクリーンプリントしてもらえるイベントも開催中。詳細はHPをチェック!

会場:亀戸アートセンター(KAC)
会期:2022年8月6日(土) 〜 8月28日(日)
時間:平日 16時-22時 土日 13時-20時
休み:木曜日 ※ 夏季休業 8/11(木) – 8/18(木)
料金:無料

谷口正造による大規模個展「My Song」

 渋谷区松涛文化ストリートのコマーシャルギャラリー「biscuit gallery」の3フロアを贅沢に使った、現代美術作家・谷口正造による大規模個展「My Song」が開催中! 本展に合わせて同名の作品集『My Song』が刊行される他、現在「銀座 蔦屋書店」にて新作の展示を含めた刊行記念展も同時開催中。詳しくは公式サイトを要確認。

会場:biscuit gallery
会期:2022年7月28日(木) 〜 8月28日(日)
時間:平日 13時-19時 土日祝 12時-18時
休み:月火水(8月12〜17日は夏季休業)
料金:無料