カルチャー
史上最大の単独ライブ開催!ニューヨークインタビュー【後編】
90分丸ごとニューヨーク! 単独ライブの魅力とは。
2022年6月24日
photo: Kazuharu Igarashi
text: Neo Iida
ニューヨーク史上最大となる、東京、大阪、福岡の3都市全8公演、延べ5500人の動員を予定する単独ライブ『Last Message』。絶賛ネタづくり中という開催約1ヶ月前の二人に話を聞いた、インタビュー後編。
伝えたいメッセージは、直接言わないように。
――ニューヨークさんは毎年単独ライブをやってらっしゃいますよね。しかも2019年までは年に2回も開催されていて。
屋敷裕政(以下、屋敷) 『M-1グランプリ』でも『キングオブコント』でも決勝に行きたかったんで、それくらい作ったほうが行ける確率高いかなって。でもなかなか難しくて、なぜか年1回に減らしたら決勝に行けました。
――どんな点にこだわってらっしゃるんですか?
嶋佐和也(以下、嶋佐) 雑食ってとこですかねえ。統一感がないと思われるかもしれないですけど、いろんなパターンのネタを見てもらいたいなっていうのはありますね。
屋敷 漫才もコントも半々で、という構成はある意味こだわりかもしれないですね。でも、将来的には変えるかもしれないし、そのへんはわからないです。
――全部新ネタだと思うんですけど、どれくらい前から考え始めるんですか?
屋敷 今回は4月の頭くらいから考えてましたね。
嶋佐 毎日毎日じゃないですけどね。
屋敷 マネージャーにお願いしてスケジュール開けてもらって。かなりしんどいですけど。昔のスケジュール見たら、そらできるわと思いました。
嶋佐 今年になってからは、もう何もインプットできてないです。
屋敷 俺は映画とか見てるよ?
――じゃあ嶋佐さんはインプットなしの状態で。
嶋佐 そうなんすよ。いや〜、まずいっすよね。
屋敷 お前がインプット活かしたことなんてあったんかなあ。
嶋佐 おめえもだろ、それは。
屋敷 そうかなあ。
――(笑)。『いろはに千鳥』の企画「QUIZニューヨーク」(ニューヨークのネタの中からボケを当てるクイズ)で、千鳥さんに「そこがネタのサビなんです」って仰ってたのが印象的だったんです。
屋敷 あ、いやいや全然そんな風には(笑)。
嶋佐 サビっていうか、そこ発信で生まれたネタってことですね。自衛隊のコントとかは、服好き過ぎるヤツなんなんだって思って。
屋敷 あー、そう考えたらあの頃はネタにメッセージを込めてましたね。二人で俺のツッコミを一生懸命考えてました。服好き過ぎるヤツに言いたいことを出し合って、嶋佐がピエロみたいな役をやって、俺がそいつに全部言う、みたいな。だから俺がボーカルみたいなことです。で、俺の歌詞を二人でめちゃ考えて。でも最近は、あんまり直接的なことは言わんようにしてます。
嶋佐 うん。ないこともないけど。
――確かに、最近のネタだとズバリ言い切ることって少ないかもしれないですね。全体を見ればわかるようになっているというか。
屋敷 おじさんになると、言い切るのって似合わないんですよね。それこそバンドマンでいうと、世の中の不満をストレートに叫ぶのって、若いほうが似合うじゃないですか。やっぱりおじさんバンドは技巧派じゃないと。
――笑いづくりの基本にあるのは毒だったりするんですか?
屋敷 いや、そんな基本っていえるほど基本じゃないです。
嶋佐 ホントに雑食ですよ。くだらない感じも好きですし。
屋敷 多分2種類あるんすよ。「こんなんおもろいんちゃう?」っていう感覚のネタと、「ここ見逃したらあかんやろ」みたいな感覚のネタと。それが両方見られるのが単独やと思います。
テレビとは違う、ニューヨークの姿を見てほしい。
――今回のタイトルは『Last Message』ということですけど、内容と関連してるんでしょうか。
屋敷 それは「見てのお楽しみ」とさせてください! 全取材でそう言ってます。
――確か『Natural』は同じタイトルのコントがありましたよね。
嶋佐 あそこだけは大失敗です。
屋敷 別に大失敗ではないけど(笑)。あれはあれでおっきめのボケっすよね。伏線を張ったり、タイトルを回収したりするのをネタにしてる感覚でした。
嶋佐 しかしあんなに無反応だとは。
――シリアスなドラマ仕立てでしたし、真面目に見ちゃったのかもしれないですね。
嶋佐 オシャレな単独ライブって、いろんな芸人がやりよるんですよ。伏線回収なんて何も面白くないのに。恥ずかしいことじゃないですか。
屋敷 そんなん言うなよ(笑)。
嶋佐 ずっと言い続けてるけど、芸人側もやるし、お客さんも結局そういうのが好きなんです。だから最近は諦めて俺らもやり始めてます(笑)。
屋敷 まあある程度はビジュアルもオシャレにはしますよ。
――そういうのもご自分たちで考えるわけですもんね。
嶋佐 こればっかりはやるしかないですね。
――はじめて単独を見る人に向けてメッセージはありますか?
屋敷 がっつり俺らのネタだけを90分見られるのって単独しかないんで。ノンストップで俺らのネタを浴び続けた人が、初めて胸張って「ニューヨークを見た!」と言えると思ってます。それでおもろいかどうか判断してほしいです。
嶋佐 音楽だとライブに行くのって当たり前ですけど、お笑い芸人のライブがどういうものなのか、一回見てほしいですね。そしたら意外と面白いじゃんて感じると思うし、世界が広がると思います。オンラインチケットもありますからね。気楽に体感してもらえたら。
――特に最近はテレビでニューヨークさんを知る人が多いと思うんです。テレビでももちろん面白いんですけど、公式YouTubeチャンネルに上がってるライブのネタなんかを見ると、より面白さが増すというか。
屋敷 そうすねえ。テレビやと、嶋佐なんて下手したらおもんないと思われてる(笑)。『ラヴィット!』とか、滑って笑いとることもあるんで。
嶋佐 テレビの技なんですけどね。
――でも「ニューヨーク不動産」とか、ロケの合間でコントを挟んだりされてません?
屋敷 いや、でもまっすぐボケてドカーンて感じじゃないじゃないですか。
嶋佐 あくまでテレビの姿なんで。
屋敷 マジでお前から「単独見てくれ」って言っておいたほうがいいかも。視聴者の皆さんに、ただのぼんやりしたヤツやと思われてる可能性あるから(笑)。
嶋佐 いやいやいや。それはないでしょ。
――『NEWニューヨーク』はちゃんとお笑いですよね。
屋敷 あれも俺ら基本ヘラヘラしてるかブーブー言うてるか……。
嶋佐 テレビはね、やっぱりいろんな人が作ってて、役割がありますから。
屋敷 テレビに出て褒められるのも嬉しいんすけど、単独面白かったって言われるのとちょっとニュアンスが違うんすよね。単独のほうが芸人へのリスペクトの念が籠もってる気がする。
――ニューヨークの笑いを知るには、単独を見てからということですね。
嶋佐 そうですね。『Natural』の公演映像をデータ販売するっていう、新しいこともやってるんで。家で見られるし、まずはそこからチェックしてみてください。
屋敷 去年の単独は自信あります。おもろいと思ったらぜひ今年の単独もよろしくお願いします!
プロフィール
ニューヨーク
インフォメーション
ニューヨーク単独ライブ『Last Message』
・大阪(COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホール)
6月25日(土)17:00 開場 18:30 開演
6月26日(日)①11:00 開場 12:30 開演 ②15:30 開場 17:00 開演
・福岡(よしもと福岡 大和証券 /CONNECT 劇場)
7月18日(月)17:00 開場 18:00 開演
・東京(恵比寿ガーデンホール)
7月30日(土)①11:00 開場 12:30 開演 ②15:30 開場 17:00 開演
7月31日(日)①11:00 開場 12:30 開演 ②15:30 開場 17:00 開演
〈チケット情報〉
前売4,500円(FANYで販売中)
※未就学児童不可
※当日券に関しては要問い合わせ
※オンライン配信あり(7月31日(日)恵比寿ガーデンホール公演のみ)
オンライン配信公演が好評につき、見逃し配信延長が決定。
販売期間:8月14日(日)12:00まで/見逃し視聴:8月14日(日)17:00まで
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