いま行きたいイベント、展示、観たい映画、読みたい本、聴きたい音楽…etc。こちらのページで毎日更新中!

『〈私たち〉とは何か 一人称複数の哲学』を読む。
「私とは何か?」と問う哲学書は数多いが、本書が問題にするのはタイトルの通り「私たちとは何か?」。著者は冒頭にこう綴る。「最初にこう考えてみよう。政治の主体とは〈私たち〉である、と」。実際、”左派と右派...

『どこかで叫びが ニュー・ブラック・ホラー作品集 』を読む。
おバカなコメディアンとして頭角を現しながら、今では映画『ゲット・アウト』をはじめとする”エレベーテッド・ホラー”の急先鋒となったジョーダン・ピール。そんな彼が編者を務めたアンソロジーには、自身のクリ...

『日本映画のために』を読む。
日本を代表する映画批評家による、日本映画にまつわる論考集だ。中でも白眉は、書き下ろしの「内田吐夢論――またはその画面を彩る慎ましい顕在性をめぐって」。この昭和の巨匠の作家性に肉薄せんとする眼差しの鋭...

『スヌープ・ドッグとE-40のお料理教室』を読む。
『スヌープ・ドッグのお料理教室』の記憶も新しい御大が、ザ・クリックの創設メンバーであり、フィリピンの食などにまつわる会社「Lumpia」を経営するE-40を相方に従えた、ギャングスタレシピ集の第二弾。...

『7』を読む。
著者は昨今話題の思弁的実在論の地平を開拓したカンタン・メイヤスーらのもとで学び、『激しい生――近代の強迫観念』が翻訳されているフランスの哲学者とのこと。本書はそんな彼が書いた小説……というか、哲学書...

『アントカインド』を読む。
『マルコヴィッチの穴』『エターナル・サンシャイン』の脚本家として知られるチャーリー・カウフマンの小説家デビュー作。だが、ページ数は半端ないし要約は不可能。映画評論家のB・ローゼンバーガー・ローゼンバー...

『ファッションセオリー ヴァレリー・スティール著作選集』を読む。
ファッション・スタディーズのパイオニアであり、第一人者でもある著者のエッセイ集だ。僕たちからすれば信じられないことだけど、かつてファッションを研究することは、アカデミズム界隈では忌避されていたらしい...

『この会社は実在しません』を読む。
話題作『近畿地方のある場所について』と同じく、小説投稿サイト「カクヨム」での連載から書籍化へと至ったホラー・モキュメンタリー小説。とある製菓会社で謎めいた資料の束(かなりグロい)を発見した主人公が、...

『ジェイムズ』を読む。
マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』を、ハックと旅路をともにする黒人奴隷ジムことジェイムズの視点から語り直したら? そんな発想に基づくこの実験的小説が浮かび上がらせるのは、「紋切り型...

『スティーヴ・ライヒ対談集』を読む。
ミニマル・ミュージックの祖と言っても過言じゃないライヒが、親交のあるアーティストらと対談した記録。表紙に刻まれた、「自分がやっていることを何と呼ぶかと聞かれたら「音楽 」と呼ぶほかありません」という...

『「書くこと」の哲学 ことばの再履修』を読む。
批評家として30年以上のキャリアを持つ著者が、「書くこと」それ自体をテーマにした新書。理論編と実践編の二部構成で、全16回の講義と3つの補講を通して語られるのは、「書く」ってつまりはどういうことか?...

『焼死体たちの革命の夜』を読む。
脱線に次ぐ脱線によって物語られるアンチ物語の数々に、中原節に慣れてない人は戸惑うかもしれない。だけど、笑っていいんだよ、ふざけているんだから。「悲しみの遺言状」における「最近〝食べられる大人のおもち...

本屋『YOMU』がオープン!
山梨県韮崎(にらさき)市に本屋『YOMU』が6月7日にオープンした! 『YOMU』を手掛けた土屋誠さんは山梨の人や暮らしを伝えるフリーペーパー『BEEK』の制作を行う「BEEK DESIGN」の代表...

『刑事コロンボ研究 上』を読む。
菊地成孔さんが名作TVドラマシリーズ『刑事コロンボ』を徹底研究すると耳にして、ワクワクしない人がいるだろうか。しかしこれは同時に、他に類例がないほど研究誘発性が高いというTVドラマを相手取り、コロン...

『映画夜話』を読む。
渋谷の名画座「シネマヴェーラ」における特集上映(アルドリッチ、フォード、ウォルシュ……)の折に、著者が登壇したトークショーの再録集。90歳を目前に控えてなお、切れ味が全く衰えることのない”話芸”を、...

『両膝を怪我したわたしの聖女』を読む。
著者の故郷でもあるスペインのカナリア諸島を舞台に、2人の少女の純粋無垢さとはほど遠い、荒唐無稽な夏の物語が活写される(よく読めば、現在流通している言葉のイメージとは異なり、意外と不潔な『ロリータ』の...

『知覚の宙吊り: 注意、スペクタクル、近代文化』を読む。
長らく非人道的なプレ値古書でしか入手不可だった名著が、懐にやさしい文庫本で再登場。「注意を払う」という振る舞いが、近代的な主体性を形成する上でいかに重要だったのかってことを、マネ、スーラ、セザンヌを主...

『あたらしい散歩──専門家の目で東京を歩く』を読む。
「昔の渋谷は楽しかった。今はつまらない」。最近よく聞くこの言葉、気持ちもわからなくはないが、とはいえ楽しむ努力をしてない人がほとんどなんじゃないか。視点を変えれば、見える景色は変わるってのに。専門家と...