『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』

アマル・エル=モフタール、マックス・グラッドストーン(著) 山田和子(訳)
〈エージェンシー〉と〈ガーデン〉は、あらゆる時間と平行世界の覇権をめぐり争う二大勢力だ。本作はそれぞれに属する2人の女性が、ひょんなことから秘密裏に手紙のやり取りを始める姿を描く。頭のいい監督が映画化してほしい、超絶技巧の多世界解釈SFだ。¥2,090/早川書房
『愛しい人から最後の手紙』オーガスティン・フリッゼル(監)

ジャーナリストのエリーはひょんなことから1965年に綴られた一連のラブレターを発見する。そこに秘められた禁断の恋の謎を解明すべく行動するうちに、エリーは自身も恋に落ちていく。本作が交錯させながら描くのは、そんな現在と過去のラブストーリー。60年代パートのクラシックなファッションもさることながら、なにしろエリーを演じるフェリシティ・ジョーンズがかわいい。それだけでも白米3杯はいけそう。監督はドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』のパイロット版を手がけたオーガスティン・フリッゼルだから、映像のセンスは折り紙付きだ。7月23日よりNetflixで公開。
メヒコの衝撃―メキシコ体験は日本の根底を揺さぶる @市原湖畔美術館

メキシコのスペインによる征服から500 年、独立から200 年にあたる今年、市原湖畔美術館が「メヒコの衝撃―メキシコ体験は日本の根底を揺さぶる」を開催。 本展は、日本とメキシコの交流の歴史を繙きながら、メキシコの歴史・風土・人・芸術に衝撃を受け自らの表現に向きあってきた8人のアーティストに焦点を当て、メキシコの何が彼らを惹きつけたのか、そのメキシコ体験を多角的に解き明かす展覧会。