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“ギークシック”な時計たち。#1

2021.09.11(Sat)

photo: Kazuharu Igarashi
text: Ken Miyamoto
edit: Kyosuke Nitta
2017年12月 848号初出

BRAND: PULSAR
MODEL: Y951-5009 WORLD TIME  
YEAR: 1982
GEEK POINT: WORLD MAP
SIZE: 32m  

アナログ時計かと思いきや、ボタンを押すと手前の液晶デジタルに世界地図が浮かび上がってくる、ロマンチックなサプライズ。モードセレクトボタンを押せば、世界時計に切り替わったり、日時を表示したり、はたまた、文字を表示しないこともできる。デジタル機能が先輩のアナログを立て、3歩下がって歩く様が愛らしい。隣り合わせはあったけど、重なることのなかった2つの機能を、ミルフィーユ状にしたのは、〈パルサー〉のコンセプト「Born to be different」(挑戦的であること)を有言実行したということか。※現在は販売終了しています。

BRAND: SEIKO
MODEL: RUNNERS PULSE METER  
YEAR: 1983
GEEK POINT: PULSE METER
SIZE: 35mm  

時は’80年代ジョギングブーム。靴も服も作れないけれど、時計なら! とランナーズシリーズを作っていた当時の〈セイコー〉。「ランナーは脈拍測りたいんじゃないの?」とピュアなあまりに思いついてしまった。そして、開発されたのが、シルバーの金属部分に指をのせることで脈拍が測れるデジタルウォッチ。どこまでもお客さまを思うことで誕生した、世界最小の看護師さんだ。一人暮らしの年配の方にもいいかもね。※現在、販売終了しています。

BRAND: SEIKO
MODEL: VOICE NOTE
YEAR: 1983  
PRICE: ¥140,400
GEEK POINT: VOICE NOTE
SIZE: 36mm  

〈セイコー〉が世界で初めて開発した、録音再生機能付き腕時計。8秒前後の録音時間が、長いのか短いのかわからないけれど、PLAYとRECのボタンやメタリックな外装がクラシックなラジオみたいでテンションを上げてくれるのは確か。その後、映画『ゴーストバスターズ』で使用され、通称“ゴーストバスターズモデル”と呼ばれるようになり、カルト的人気アイテムになった。生産数が少なく、映画界と時計界のマニア双方から狙われるためかなりレア。

BRAND: CITIZEN
MODEL: CALCULATOR
YEAR: 1977  
PRICE: ¥97,200
GEEK POINT: CALCULA TOR
SIZE: 42mm  

ベゼルに配置された『未来世紀ブラジル』的なボタンは、飾りじゃない。国産初の計算機付き男性用デジタル時計はボタンで、足し算、引き算、掛け算、割り算を駆使し、8桁までの表示が可能。1977年にここまで実現していた日本人恐るべし。ちなみに、販売当初はボタンを押すための専用ペンが付いていたという。使っていた人がいたらぜひ話を聞かせてほしい。

BRAND: ARMITRON
MODEL: RADIO WATCH
YEAR: 1981  
PRICE: ¥43,200
GEEK POINT: RADIO
SIZE: 34mm  

外でラジオを聴きたいけど、スマートフォンだと、YouTubeやら他のアプリに惑わされてなかなか集中できない。「あぁ、時計にラジオ機能だけ付いていたら最高なのに」。そう思ったことがあったけれど、すでに’80年代に存在していた。オレンジの付属ヘッドホンを、ジャックにさして受信するとLEDが光るという、THE ’80sなデザインとアイデアがクール。これを着けてジョギングだ。一部に熱狂的なコレクターがいるらしいが、奇跡のデッドストックを、箱&説明書付きで発見。

BRAND: SEIKO
MODEL: A826
YEAR: 1980  
PRICE: ¥86,400
GEEK POINT: STOP WATCH
SIZE: 40mm  

アカデミー賞に、脇役ギークウォッチ部門があったら殿堂入りはコレ。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、クリストファー・ロイド演じるドクがデロリアンの走行速度を測っていた、あのストップウォッチ。実は、時計にカメラのレリーズケーブルのような装置を付けることで、より正確にボタンを押せる仕組みになっている。ストップウォッチでいいじゃんと一瞬でも思った君は野暮! 一生タイムトリップできないぞ。

BRAND: SEIKO
MODEL: UC2000
YEAR: 1984  
PRICE: ¥86,400
GEEK POINT: KEYBOARD
SIZE: 35mm 

もう大抵のことには驚かないと思っていたけど、まさかキーボードを付けるとは……。電子機器メーカーをルーツに持つ、服部セイコーとセイコー電子工業が発売した世界初のリストコンピューター、通称“腕コン”。付属のキーボードをドッキングすると、文字を打ち込めて、電話帳や電卓、スケジュール機能を使える。別売りのプリンターを買えば、データの転送も可能だったとか。現スマートウォッチへの影響を与えているのは間違いなさそうだ。

インフォメーション

+R.I.P STORE

改造士であり、ギークウォッチコレクターのドナルド・ムネアキさんが、ワタリウム美術館の地下2階、『オンサンデーズ』の一角にオープン。今回紹介していない占い機能付き時計や、ニキシー管で数字を表示する時計など、まだまだギーク度満点、唯一無二の時計が潜んでいる。
東京都渋谷区神宮前3-7-6 ワタリウム美術館B2 ON SUNDAYS内 ☎03・3470・1424 11:00~20:00
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