ファッション
【#2】桐生とスカジャンと私
2021年9月18日
photo & text: Hiromasa Matsudaira
敗戦により生まれたスカジャン。多くの進駐軍兵士が顧客となったが、最初からスカジャンが存在したわけではない。「最初は兵士が着用していた軍服に、記念として横振り刺繍を入れた。だけど、支給された軍服に刺繍することが上官から禁止されたので、オーダーメイドで作り始めてスカジャンへとつながった。」と語るのは、シベリア帰還兵だった近所のおじいちゃん、シゲオさんです。

愛犬の散歩中、同じ犬種の飼い主と仲良くなった。近所だという彼に、たまたまスカジャンの研究をしていることを話したところ、
「うちの父親が桐生で最初にスカジャン作ったんだよ。」
えっ!と驚き興奮した私は、数日後、彼のご自宅を訪ねた。戦時中に満州にいた93歳のシゲオさんは、終戦後シベリアに抑留され、昭和23年に桐生に帰還。家業は大正5年創業の刺繍屋で、その頃すでにスカジャンを生産していた。それらを毎日のように横浜まで納品したという。
最盛期、桐生には26軒の「ジャンバー屋」があった。困難な時代にそれぞれの業者が独自に販路開拓し、創意工夫(パクリも横行していた!)した。スカジャンは、全国の進駐軍駐留地で流行した同時多発的ブームだったといえる。
同じ町内のお二人がスカジャン生産に関わっていたことだけでも驚きだが、私が知る80~90歳代の方は、ほとんどスカジャンのことをご存知だ。桐生は、多くの年配の方がスカジャンのことを知っている奇跡の街なのです。
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