TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#3】BRACKETSのホテルマンジャケット

執筆:渡辺真司(ISSUETHINGS)

2026年3月23日

こんにちは。
ISSUETHINGSの渡辺です。

前回に引き続き、人には良さが伝わりづらい少し変わった古着をご紹介致します。
今回ご紹介するアイテムは僕の大好きなBRACKETS SETAGAYAで購入したものです。

アメリカのホテルマンの制服です。
しかも色違いで2色買いしてしまいました。

状態は良好でサイズも僕にピッタリなので着用出来ないわけではないですが、
普段、ラフなトップスにジーンズの組み合わせが多い僕は、絶対に日常で着ない。
しかし僕は買ってしまったわけです。

ではなぜ購入してしまったのか?

単純にまずデザインがとても良い。
配色がホテルの制服ならではなシックな組み合わせで素晴らしいです。
Hの文字が配置されたボタンも品があります。

しかし細部をよく見ると、芯地を留めつけるためにボディに雑にステッチが走っています。
ボタンは丁寧に作るのに、芯地の留め方は雑なところに人間味を感じます。

極め付けはこれ。
2着のうちの1着の袖口だけ、青いステッチで雑に袖丈が延ばされていました。
皆さんはホテルマンの制服の袖口がこんなに雑に直されているのを見たことがありますか?

服のデザイナーをしていると、日々、無駄な常識が積み上がってしまいます。
「生地はこれが高級」
「仕様はこれが正しい」
「縫製は綺麗に」
今回ご紹介したホテルマンジャケットのような服に出会うと、そういったことが全部バカらしく感じることがあります。
結局は正解なんてほとんどないようなもので、見た瞬間良ければ良いのです。

ではまた次回。

プロフィール

渡辺真司

わたなべ・しんじ|1990年、東京生まれ。広告代理店、古着屋を経て、2020年にメンズウェアブランド〈ISSUETHINGS〉を設立。ブランド立ち上げのきっかけは、クリストファー・ネメスに憧れたため。

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