From Editors

変わらないものと、 新たに生まれ変わるもの。

NO.946

2026年1月7日

 今回のスタイルサンプル特集はポパイの50周年イヤーの号ということもあって、バックナンバーを振り返り、ポパイそのものの変遷を辿りながら作ったのですが、僕は創刊号の取材地・アメリカ西海岸のLAやポートランドのページを担当しました。

 18年間ポパイを作っていると、雑誌づくりのダイナミックさを体験することが度々あります。今回も、ポートランドのページでそんな大胆な動きがありました。もともとは世界中のいろんなスナップを並べる企画の中で2テーマ・それぞれ2pを制作する予定でしたが、写真も取材の内容も、共に想像を超える素晴らしいものになり、2テーマを1つにまとめて単独の10p企画に。予定の2倍以上のボリュームになり、元の枠組みを飛び出して独自の企画になるというのはよっぽどのことです。個人的なことを言うと、僕は2014年の6月発売号でポートランドのシティ・ガイド特集を担当し、現地で2週間ほど取材をしまくってページを作りまくったのですが、12年の時を経て、またこの街のページづくりで特別な躍動感を感じることができたというのは、長くやらせてもらっているが故の喜びだなと思います。

 ポートランドのページのテーマは、「変わらないもの、生まれ変わるもの。」にしました。自分らしいスタイルを考えて作っていくなら、「これが好きだ」という価値観がブレてばかりでもダメだし、アップデートがないというのも退屈。この2つの視点はヒントになるかもしれません。紹介しているレンタルビデオ店『Movie Madness』には今こそぜひ行きたいし、そう思う読者も多いはず。そして「Gentleman Gardener」という新鮮なコンセプトで作る〈Miles Leon〉の服も、ぜひ自分の日常の中で着てみたい。ただ、量産をしない職人気質ゆえ、なかなか手に入らないようで。ポパイオンラインストアの出番か……?

僕のデスクの左にある編集部の本棚には、創刊号から最新号までのバックナンバーが並んでいます。Book in Book「ポパイのスナップ・アーカイブ」の担当編集者は隣にずっと座ってポパイを読み込む日々。個人的には仕事を覗かれているような気も。

2014年のバーンサイド・スケートパーク。街のスケーターたちが行政と手を組みDIYしたという、ポートランドの名所です。あの時の取材も、その後のスタイルサンプル特集でのスケーターのスナップも、面白かったなぁ。

(本誌担当編集)榎本健太