TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#1】「犬」について

執筆:古家正亨

2026年1月9日

今回、期間限定で、
コラムを書かせていただくことになりました。
古家正亨です。
普段は、ラジオDJやテレビのMC、
そして、韓流・K-POP関連の
イベントのMCを務めることが多いので、
僕自身の情報発信もそういった関連の情報を
SNSで発信することが多いのですが、
今回のコラムでは、
あくまで僕の日常について語ってほしいという
お願いでしたので、
普段お話ししないようなことを
取り上げていこうと思います。

第1回目は、犬についてです。

我が家には、二匹の犬がいます。
写真を見ていただくとわかりやすいのですが、
右が、韓国からやってきて
13年目のミックス犬の「こん」。
そして左が、我が家に来てまだ1年という
ミニチュアプードルの「ラファ」。
全く違う犬種ですが、
大きな喧嘩をするわけでもなく、
でも
家族がどちらかに注目すると
やっぱりヤキモチを妬いてしまう・・・
そんな二匹です。

実は、僕は、犬が、「大」嫌いでした。

ただの嫌いではなく、「大」がつきます。
それは幼い頃
自宅近くの飼い犬に噛まれたことがトラウマになって、
とにかくそれ以来、犬が嫌いだったんです。
幼い頃のトラウマって、
それだけ大人になっても与える影響って
大きいですよね。

じゃ、なぜそんな犬が二匹もいるのかというと、
妻が犬が「大」好きだから。

韓国出身の妻が、結婚を機に日本にやってきて
言葉の問題や人間関係の構築に悩んでいたときに、
そもそも犬が大好きだった彼女が
事あるごとに「犬を飼いたい」と言っていたんです。
当然、僕は、猛反対。
家に犬がいるなんて・・・
僕の中における犬は、
藤子不二雄の漫画で描かれるような
犬小屋に、鎖で繋がれた、ブルドッグ系の犬、
まさにそれが犬のイメージだったわけで、
僕自身もそんな犬に噛まれたわけです。

ところがある日、義理のお母さんが彼女のために
子犬を手に入れたというのです。
彼女は、韓国のミックス犬が好きで、
その珍島犬のミックスされた、独特な味わいのある
ミックス犬が欲しかったらしいんです。
精神的に疲れていた彼女を思った義理のお母さんが
偶然運命的に見つけたその子犬は
売っていたおばさん曰く
「そんなに大きくならないから」と言って
豆のような可愛い犬ということで
韓国語の豆を意味する「こん」と名付けられました。

ところがそう簡単には日本にやってこれません。
検疫の関係で数ヶ月は韓国で育てられ
数々の注射や検査を経て、
ようやく日本にやって来れます。
そのため、最初は義理の両親が育ててくれて、
彼女は「こん」のために、
自分に慣れるために何度も渡韓し
関係性を築いて行きましたが・・・
僕だけはそれを受け入れられませんでした。
とにかく犬が嫌いだったから。
でも、最終的には、家に招くことを受け入れ、
心の準備をしていましたが、
いざとなっては、やはり緊張と怖さがあり
我が家に来るまでは、全く心理的にも、肉体的にも
受け入れるのが難しかったです。

そして、13年前、
飛行機に乗って日本にやってきた「こん」。

吠えられるのも、顔を舐められるのも、
うんちやおしっこをすることも
散歩するのも全てが嫌で、辛い日々が始まりました。
ところが3ヶ月ぐらい経って、
自分1人で「こん」と散歩することがありました。
その時に、よくわからないんですが、
何度か目が合い、「こん」が笑ったように見えたんです。
これって、
自分のことを家族と思ってくれているのかなぁ
と。
もちろん、それは錯覚だったと思うのですが、
その瞬間から、
急に「こん」に対する愛着が湧いてきました。
ドライフードが食べれなかった時に、
手作りのご飯を作ったり
うんちやおしっこの処理を泣く泣くやっていた自分が
それを平気にやっていたり、
一緒に走ったり、遊んだり・・・。
気づけば、一緒に寝ている自分がいたんです。
年齢的にも近いからでしょうか・・・今では「こん」は
いつも僕のそばにいます。

そんな彼ももう13歳。
人間の歳でいうと、70代でしょうか。
最近は、少しずつ衰えを感じ、
そんな彼を見ているだけで
涙が出てきます。
そして、去年、我が家に新しい犬がやってきました。
妻と息子が一目惚れした「ラファ」。
当然、犬が「大」嫌いな僕ですから、
「こん」はもはや家族だけど、「ラファ」は犬だから、
2人が飼いたいなら、
2人の責任で育ててください・・・
そう言い、ここまで言ったら諦めるだろうと思ったら
数日後、「ラファ」は家にいました(涙)

そんな彼も、僕が帰ってくると、
なぜか真っ先に僕を歓迎してくれます。
「こん」も若さ溢れる「ラファ」から元気をもらって
何かこう、もっと生きたいという思いを感じます。
そんな二匹、いや二人を見ていると
なんだか微笑ましいです。

僕は犬が「大」嫌いでした。
そして今は
犬が「大」好きになったようです。

プロフィール

古家正亨

ふるや・まさゆき|1974年北海道生まれ。ラジオのDJやイベントMC業を中心に、約20年に渡りK-POPの魅力をラジオや書籍、Web等のメディアを通じて紹介。また、多くの韓国の俳優やアーティスト、その他韓国関連のイベントで通訳・司会進行を担当しており、世界的スターはもちろん韓国カルチャーファンからの信頼も厚い。日本でのK-POP普及にあたり、韓国政府より文化体育観光部長官褒章を受章した。

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