カルチャー

『演出をさがして 映画の勉強会』の話。

濱口竜介×三宅唱×三浦哲哉が語る読みどころとは?

2025年12月22日

text: Keisuke Kagiwada
edit: Ryoma Uchida

『演出をさがして 映画の勉強会』は、映画監督の濱口竜介さん、三宅唱さん、そして映画研究者の三浦哲哉さんの3名による鼎談の記録だ。テーマはタイトルの通り、映画の演出について。それぞれの視点から微に入り細を穿って語られる、映像及び音響の分析の数々は、目からウロコが何枚も落ちること請け合い。取り上げられるのは、ロベール・ブレッソン、ビクトル・エリセ、トニー・スコット、侯孝賢の諸作、そして濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』、三宅監督の『ケイコ 目を澄ませて』。そんな本書の発売を記念して、著者の3人に読みどころを語り合っていただいた。

演出をさがして 映画の勉強会
濱口竜介、三宅唱、三浦哲哉(著)
¥2,860/フィルムアート社

プロフィール

濱口竜介

はまぐち・りゅうすけ。映画監督。2008年、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『PASSION』が国内外の映画祭で高い評価を得る。その後も神戸の即興演技ワークショップから生まれた『ハッピーアワー』(2015)が多くの国際映画祭で主要賞を受賞。近年の監督作に『偶然と想像』(2021/第71回ベルリン国際映画祭審査員グランプリ)、『ドライブ・マイ・カー』(2021/第74回カンヌ国際映画祭脚本賞、第94回米アカデミー国際長編映画賞)、『悪は存在しない』(2023/第80回ヴェネツィア国際映画祭審査員グランプリ)がある。2024年、映画に関する講演・批評等をまとめた著書『他なる映画と1・2』(インスクリプト)を発表。2026年に『急に具合が悪くなる』を公開予定。


三宅唱

みやけ・しょう。映画監督。1984年北海道札幌市生まれ。一橋大学社会学部卒業、映画美学校フィクションコース初等科修了。2012年、劇場公開第1作『Playback』が第65回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に選出される。『きみの鳥はうたえる』(2018)、『ケイコ 目を澄ませて』(2022)、『夜明けのすべて』(2024)がベルリン国際映画祭ほかで上映され、第37回東京国際映画祭黒澤明賞をはじめ国内外の映画賞を受賞。2025年、『旅と日々』が第78回ロカルノ国際映画祭金豹賞を受賞。


三浦哲哉

みうら・てつや。映画研究・批評、表象文化論、食文化研究。1976年福島県郡山市出身。東京大学大学院総合文化研究科超域文化研究科表象文化論コース博士課程修了。青山学院大学文学部比較芸術学科教授。著書に『自炊者になるための26週』(朝日出版社、2023年)、『LA フード・ダイアリー』(講談社、2021年)、『食べたくなる本』(みすず書房、2019年)、『『ハッピーアワー』論』(羽鳥書店、2018年)、『映画とは何か──フランス映画思想史』(筑摩選書、2014年)、『サスペンス映画史』(みすず書房、2012年)。共著に『オーバー・ザ・シネマ──映画「超」討議』(フィルムアート社、2018年)