TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#1】農家が届けたいこと。

執筆:井上隆太郎

2024年11月11日

初めまして。千葉県鴨川市の農家、苗目の井上 隆太郎です。

なぜかお声かけいただき農家が何を書くのか。

とりあえず1ヶ月、4回に分けて苗目のことを書いていこうと思います。
そもそも農家って定義は?農業の定義は?食べるものを生産するだけではなく、飾る植物でも、何かの原材料でも農家です。
共通しているのは植物や自然に近い暮らしをしているということでしょうか。

私たちの拠点、千葉県鴨川市は(私自身10年前に移住)都内から車で90分(ちょっと言い過ぎかも)の距離でありながら、たくさんの自然がある素晴らしい場所です。
海があり里山があり、野生動物もたくさんいます。

サーフィンをやる方や水族館好きな人はご存知かと思いますが鴨川と言えば海!!!といった印象ではないかと思います。
が、私たち苗目は鴨川の山側を中心に4つの拠点で活動しています。

1、農場。

農家なので当然ですがハーブやエディブルフラワーを中心に少量多品目を、無農薬無化学肥料で育てています。
レストランやカフェ、ホテルなどはもちろん、ここ数年では蒸留所や化粧品関係など多岐にわたる業種の方と関わっています。

2、里山。

この辺りから農家?ってなりがちですが、私たちは栽培と採取を軸に、生産だけでなく里山から食材として、何かの材料としての植物を採取して、
ときには加工して、ときにはそのまま食材として販売しています。

3、カフェと直売所とシェアファーム

私たちの育てている植物、ハーブやエディブルフラワー。何それ?食えんの?使い方わからんと思われがち。
それらを食べたり飲んだりできる場所。同時に地域の農産物、野菜だけではなく、ジビエや蜂蜜など地域のいいものも揃えています。
店の前には2000坪の畑と棚田。ここは都内の企業やレストラン、個人の方達が定期的に来て一緒に畑作業をしています。(シェアファーム)
オープンで楽しいコミュニティ作りをしています。

4、公園 

ここまで来ると農家????くらいの感じですが。

私たちのVISONの一つ、中心にあるのが<耕作放棄地をなくす>なのですが、耕作放棄地といっても様々な場所、環境、理由があります。
そんな耕作放棄地の一つを地域の子供達に開放し、公園のような農場にしました。 
その名もSoil to Soul FARM PARK (土から魂を育てる)。
子供達がいつでも遊べる、動植物に触れ合える、そんな場所を作りました。

栽培と採取、コミュニティ・公園……
耕作放棄地・環境再生・農業・里山・森・子供……。
みたいなことを楽しく、みんなで盛り上げていきたいと思っています。

この1ヶ月、各拠点、想いをひとつづつ書いていこうかなと思っています。

とりあえず、自然にふれて、子供に優しく、いいもの食べて健康になりましょう。

プロフィール

井上隆太郎

いのうえ・りゅうたろう|〈苗目〉代表。1976年、東京都生まれ。園芸商社バイヤー、パーティやイベントへの生け込み装飾や造園を経て、鴨川へ移住。その後はエディブルフラワーやハーブを無農薬・無化学肥料で栽培する傍ら、里山の再生やカフェ運営、公園の開園などの自然に近いコミュニティ作りに取り組む。

Instagram
https://www.instagram.com/naemekamogawa/

Official Website
https://naeme.farm/