ファッション

今年オープンした〈PWA〉のコンセプトショップ『moves』へ。

東京五十音散策 桜新町②

2024年9月25日

photo: Hiroshi Nakamura
text: Eri Machida
edit: Toromatsu

東京都内の駅名を「あ」から五十音順に選出し、その駅の気になる店やスポットなどをぶらりと周っていく連載企画「東京五十音散策」。「さ」は桜新町へ。

 2020年にローンチしたアパレルブランド〈PWA〉がキュレーションするコンセプトストア『moves』が今年1月にオープンしたと聞いて行ってきた。

 全体の6割が〈PWA〉の商品で、他にはアメリカで買い付けた古着や、ニューヨークの〈マイナー・プラネット〉やデザイナー・TATAのブランド〈エナジースタジオ〉など国内外からセレクトしたファッションアイテム、レコード、写真集、雑貨などが並ぶ。〈Sud Sud Ouest〉や〈WOOD VILLAGE CYCLES〉など数々のブランドのポップアップショップも頻繁に開催しており目が離せないショップだ。

〈PWA〉のデザイン、ディレクションを行う増田信希(ますだ・のぶき)さんが目指すのは、周りにいるかっこいい人が毎日ラフに着られる普段着。定番人気でブランドの顔と言えるワークスラックスはまさにモットーを体現していた。耐久性が高くシワになりにくいリサイクルポリエステルを使用しており、部屋干しでもすぐに乾くので、毎日穿いてもヘタレない。センタープレスでシルエットに崩れがなく、適度にカジュアルで、どんなシーンにもしっくりくる。

 ポップアップ、クラフトビールやタコスを振る舞う夜営業、フリーマーケットなどを月に1、2回ほど開催しており、イベントが盛りだくさんなのも魅力。「1年目はとにかく色々なことを試しています」とスタッフの店村龍祐(たなむら・りゅうすけ)さん。それぞれ得意分野がある4人のスタッフで企画しており、少人数の風通しのいい環境が枠にとらわれない自由なアイデアを生み出していた。

 面白い人やモノに出会えそうな気がして用がなくても立ち寄りたくなる『moves』。実際、会社帰りにスーツで訪れる人も多く、服好きではなく、働くすべての人にリスペクトを持つ、という〈PWA〉らしさが垣間見える空間だった。

〈PWA〉スタート時から毎シーズン形を変えずに作り続けているワークスラックス。小分けのポケット・セキュリティージップ付き。

ニューヨーク発のブランド〈マイナー・プラネット〉のアイテムも並ぶ。

アーティスト、ジョー・ガーヴィーとスタイリスト、マック・ヒュルスターの2人によるプロジェクト〈Young Coffee〉のマグカップやコーヒー豆も。

レジの棚にはレコードやアートブックなどが。最近は、日本とアムステルダムを拠点にするアートプラットフォーム〈Ugoku Estudio〉から出版されたZINEが入荷。

〈PWA〉が毎年文化の日に発行しているインディペンデントマガジン「PPAPERS」。

インフォメーション

今年オープンした〈PWA〉のコンセプトショップ『moves』へ。

moves

2024年1月にオープン。店名の由来の一つに「関わる人と色々な経験をしていきたい」という思いがあり、イベントやコラボレーションアイテムなどを企画。90年代の〈J.CREW〉のハーフコートや80年代〈L.L.Bean〉のチェックシャツなど〈PWA〉のアイテムに合う古着を選んでいるため、全身コーディネートもできてイメージが膨らむ。生活の中で集中、没頭する時間を持てるようなプロダクトを置くことを裏コンセプトにしており、新潟の『LOWYARD RECORDS』がセレクトしたレコードやブルックリンにあるコーヒーショップの豆など、自宅でゆったりと楽しみたいものも揃う。

○東京都世田谷区駒沢2-42-2 ☎︎03・5432・9241 12:00〜20:00 水、木休 不定期で営業時間に変動があるのでインスタグラムで確認を!

Instagram
https://www.instagram.com/moves__tyo/

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