ライフスタイル

家の猫の話 Vol.6

執筆: ピエール瀧

2024年8月5日

家の猫の話


photo & text: Pierre Taki
edit: Ryoma Uchida

先日ペットショップに出かけたところ、こりゃ良いというモノを発見したので早速買ってきました。それはジェックスの自動給水器のGLASSY R。簡単に言うと、ポンプで水を循環させながらフィルターで不純物やゴミを取り除き、常に清潔でキレイな水を供給してくれる“猫用”水飲み場のことです。

実は、我が家では以前コレの旧型を使っていました。複数の猫がいますから、衛生面と健康面を考慮して設置していたのですが、ポンプを分解して内部まで掃除ができなかったり、電源コードの行方を気にしながら洗浄しなくてはいけなかったりと、便利さと引き換えに結構煩わしさが感じられるギアだったのです。今回の新型はそういった点が全て改善されていたので、我が家のようなモノグサ一家でもこれなら対応できるんじゃね?ということで購入に踏み切ったのです。

結果、とても満足。これまで使っていた旧型のフィルターのストックも使用できますし、何より噴水パーツが新たに導入されたことで、猫が踊る水に興味を持ち、以前より水をたくさん飲むようになりました。猫の好奇心って面白いすね、根底にやんちゃ精神が感じられて。我が家の猫たちは今この新しい水飲み場がお気に入りとなっています。

さらに最近のもうひとつのお気に入りが、西洋みかん箱。コストコに買い物に行った際、買ったモノを持ち帰るためにフリーでもらえるSunkistのオレンジ輸送用の大きめの段ボール箱なんですが、これにコンブとブイヨンが激ハマり。

我が家では、適度な大きさの段ボール箱が手に入ると試しにリビングに置いてみるというのが慣わしです。猫を飼っている方はすでにご存知でしょうが、マジで猫は必ずといっていいほど箱に入ります。もはや習性を超えて、まるで義務であるかのように。様々な狭い箱にみっちりと体を埋めて我を忘れてうっとりとしていたりする様は、フェティシズムとヒーリングが同居しているような感覚で、猫の精神の奥深さを感じます。

今回のSunkistの箱は二匹で入れる広さがあるので、まずコンブが入り、次にブイヨンが追従して隙間に体を埋め、仲良くうっとりしています。後から遅れてやってきたコロッケも入りたそうにするのですが、年長猫のコンブにピシャッと叱られて仕方なく腹を見せ、「でも〜」といった仕草で憧れのSunkistに箱の外から熱視線を送る日々です。まあそういうモンだよ、コロッケ。

最後に、この時期だけの特別のお気に入り。それは扇風機。

どういうわけか、コンブだけが扇風機が大好き。まるで灯台守ならぬ扇風機守の趣で台座の部分に寄りかかり、日中神妙な顔をして過ごします。台座の角度の感じが好きなのか、それとも微妙に感じられる振動が心地よいのか分かりませんが、扇風機と神妙な顔というその佇まいになんとなく文学性を感じてしまい、夏の期間限定の大好きな我が家の景色です。

プロフィール

ピエール瀧

ぴえーる・たき | 1967年、静岡県出身。1989年に石野卓球らと電気グルーヴを結成。道行く人に「あなたのオススメは?」と尋ね、その返答の通りに旅をするYouTube番組『YOUR RECOMMENDATIONS』が好評配信中。著書に『ピエール瀧の23区23時』(産業編集センター)、『屁で空中ウクライナ』(太田出版)など。フジテレビと米・スカイバウンドエンターテインメント社による共同制作ドラマ『HEART ATTACK』(24年秋以降、FODで配信予定)にも出演予定。

電気グルーヴ公式ウェブサイト
https://www.denkigroove.com/