
我が家の飼い猫の中で、唯一親猫としばらく暮らした経験のあるブイヨン。とは言っても、宇都宮の自転車置き場でなんとか生き延びていたところを人間に保護された訳ですが。
その経験がそうさせるのか、猫特有のお馴染みのフミフミの仕草をブイヨンだけはたまに見せてくれます。娘用のクッション相手に。無心で。
子猫が母親のおっぱいを刺激するために本能で発動するフミフミ。これをやっている時のブイヨンは、ゾーンに入っているというか、視覚から入ってくる情報を全てシャットアウトしているかのような達観した神々しさがあります。こちらもその間は声をかけるのを躊躇いますし、その姿はちょっと物悲しく、ブイヨンの魂の最深部を垣間見せてくれたような、キュンとした心持ちになります。
そんなブイヨンですが、コロナでオイラが餌を毎回与えていた影響もあったのか、最近ではオイラとの距離をさらに縮めてくれ、3日に1回程度の割合で傍にやってきて腹を撫でさせてくれるようになりました。超嬉しい。
その際のオイラの心掛けとしては、“ちゃんと女子として扱う”を肝に銘じています。優しく撫で、呼吸を合せるように。「ああ、任せてくれているな」と感じられた時って、種を超えて嬉しいもんすね。
プロフィール
ピエール瀧
ぴえーる・たき | 1967年、静岡県出身。1989年に石野卓球らと電気グルーヴを結成。道行く人に「あなたのオススメは?」と尋ね、その返答の通りに旅をするYouTube番組『YOUR RECOMMENDATIONS』が好評配信中。