TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#2】続・フォルケの日記

執筆:Tamaki Iwao

2024年8月18日

今日はずっとガーデンで絵を描いたり、ギターを弾いたり、木に登ったりして遊んだ。とっても楽しかった。昼ごはんもお茶も夜ごはんも全部外で食べた。そしてずっと芝生に寝っ転がっていた。ここは愛で溢れている。初めてここに来た時からここが大好きって思った。

今日は焚き火で棒に生地を巻き付けてパンを焼いた。それから毎回ご飯の時間がすごく楽しみ! だってとってもおいしいから。今日は、エビ、白身魚、ムール貝のパエリアと黄ビーツ、かいわれ大根、グリーントマトのサラダ。そして今日は夜ご飯の後にケーキもあった。
毎日一日が終わる時、今日が今までの人生で1番だったって思っていた。本当に幸せだと思う。

今日は保存食のクラスがあった。学校で飼っているアヒルを自分たちで殺してコンフィーを作った。スーパーでは鶏肉、豚肉、牛肉たくさんのお肉が売られているけど、全部ミンチにされていたり、パックされていて生きていた動物達の命をいただいているっていうことがあまり実感出来ない。初めて目の前で今生きていたアヒルを自分達で殺して処理して料理して命をいただくっていうことを実感した。これからもたくさんの命をいただいて今私は生きているっていうことを忘れないでそしてそのことにもっと感謝していきたいと思う。

今日は、テキスタイルのクラスで学校で飼っている羊から毛を刈って毛糸を紡いでセーターを編んだ。

今週はいつもと違うクラスをやる週。音楽、映画、自然、テキスタイルなどがあって、それぞれ一つ選んで一週間やった。私はみんなで音楽を作った。音楽も映画も全然理解出来ない変なものだらけだったけど、友達とみんなでよくわからないおもしろいものを作るのがとっても楽しくて、それが出来るみんなをすごいなって思う。

今日は水曜日。スープの日。かぼちゃのスープ、フォカッチャ、オレンジチョコバター。

今日はお別れの日。今までで1番素晴らしい時間だった。
とっても寂しいけどここでこんなに素晴らしい友達と出会えて共に過ごしたうれしさと感謝でいっぱいだ。本当にありがとう。

tak for et lige præcis som du er.ありのままのあなたでいてくれてありがとう。

お別れの時に毎日歌った歌の本にメッセージを書き合った。これは友達が私に書いてくれたメッセージの一つ。私はここで友達の美しさ、素晴らしさを知った。そして、家族、友達、たくさんの周りの人たちに支えられ、応援してもらい、助けられて今ここにいることが出来る。本当に感謝している。ありがとう。今私の出来ることで周りの人を笑顔にし、この感謝をたくさんの人に渡していける自分になりたい。

プロフィール

Tamaki Iwao

いわお・たまき|アーティスト。2004年生まれ。小学生の時に家族で岡山に移住。現在はデンマークで暮らす。絵、陶器、ワイヤー、編み物、パッチワーク、キルティングなど身近な素材をつかって作る。服や帽子、セーターなど身につけるものも手作りするのが好き。日本各地での展示 ライブペイント 2021 霧島アートの森「岡本仁が考える 楽しい編集って何だ?」での作品制作展示など。

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