ライフスタイル
はじめての車、お金にまつわるQ&A。【後編】
2024年5月26日
車を買いたい!でも、金銭的な面で躊躇う人も多いだろう。車両価格と維持費の相場は? 新車と中古で税金に差は出る? 2人の識者に聞いた、お金の話。いよいよカーライフが始められそうだ。
Q7. 月額数千円の差が。駐車場は屋根あり、屋根なし、どっちがいい?
A7. 多少無理をしてでも、屋根ありがおすすめ。洗車代も安くなる。
移動手段以上の愛車とするならば、屋根付きを選ぼう。ダイレクトに風雨にさらされると、水が溜まった部分が日焼けして退色してしまうことも。将来車を乗り換えるときに、売値が下がってしまうという現実的な理由もやっぱり大事。屋根ありの駐車場に変えた人に話を聞くと、洗車をする頻度が減ったという話もあるから、もちろん維持費にも影響するのだ。
Q8. ディーラーと町の車検屋さん、どちらに車検を出すか迷っています。
A8. どちらでも大丈夫!ただ両者の違いは押さえておいて、自分に合うほうを選ぼう。
基本的にディーラーの車検では、車検の基準を満たしていても摩耗が進んでいたら部品を交換する。そしてそれぞれに純正の部品を使うなど、車検費用が高くなりがち。もちろん、メーカーが定める品質をきちんと担保してくれるという安心感もある。一方で、町の車検屋さんのほうが割安であるのもまた事実。とはいえ、どこも同じではなく、腕はピンキリなので、車に詳しい人に聞くなどして信頼できる店を見つけておこう。一部のパーツを手に入れるまで相応の時間がかかってしまう場合もあるので、特に旧車所有者は余裕を持って車検にのぞもう。
Q9. オプションを勧められたけど、断っていいですよね?
A9. 不用意に受け入れるもすべて断るもNG。「後から付けられるか」を必ず確認しよう。
メンテナンス系のオプションに関しては、後から付けられることがほとんど。ここは慌てなくて大丈夫。ただし、車の構造的に後から対応できないものもあるので注意を。例えば、座席そのものを発熱してくれるシートヒーターや電動スライドドアに関しては、新車購入時を逃すと付けられないことも。パワーウィンドウがデフォルトではなかった時代は、ハンドルでの開閉式を選択して後悔する人も多かったとか。愛車を入手したことに浮かれて考えなしに受け入れるのもNGだが、車体の購入で手いっぱいとすべて断るのもまた避けるべきだ。
Q10. 車が安くなるタイミングがあるってホント?
A10. 決算期の3、9月と閑散期の5、6月が狙い目。家電と似た仕組みだ。
まず決算期である3月、半期決算期である9月は、決算前であり、そしてモデルチェンジが行われることも相まって、割引されやすい。金額が下げられずとも、この時期は下取り価格を上げてもらえるなどの実質的な値引きも交渉しやすいと言える。家電と同じような仕組みである。そして5、6月は車業界の閑散期といわれるそう。3、4月に乗り換えや車検が多く、この時期に車にまつわる相談が少ないからだ。そのため、この時期にディーラー独自のセールを実施することもあるらしい。なお、1メーカーのみを取り扱うディーラーは、割引上限が決まっており、複数メーカーを扱うサブディーラーは割引上限がない。そのためサブディーラーのほうが割引率だけを考えるならお得。ただ、人気モデルはディーラーのほうが手に入りやすかったり、トラブル対応も早かったりする。その分、サブディーラーは販売価格が安い、という部分は知っておきたい。
Q11. 個人売買のほうが断然安い。でも、ちょっと不安も……。
A11. 現物が確認できるならOK。購入したらそのまま整備工場へ。オンラインの場合は細心の注意を。
ずっと欲しかった一台を友人や知人から安く譲ってもらえるとして、現物の確認ができるのであればOK。まずは車のコンディションや車検がどれくらい残っているかなどをしっかりと確認。相応の価格かを調べたり、車に詳しい人に聞いてみよう。気に入って購入となったら、そのまま整備工場へ持ち込む気持ちで。修理や乗り出しまでのサポートも請け負ってくれるから、信頼できる整備士の手に委ねてみては。ただし、オンラインでの個人売買には細心の注意を。安くて良い車であれば、本来は目ざとい中古屋さんが即入手したりするので、特に長い期間売り出されている一台は避けたほうがいい。「ノークレーム・ノーリターン」が基本条件だが、それは車の状態が双方で正しい理解ができているというのが前提。現物を受け取りに行って、「え!」となってもキャンセルが難しい場合も多いから、気になる部分は、事前にしっかりチェックして、不安や懸念をしっかりと払拭したい。いずれにせよ、個人売買ならではの時間とお金がかかるということを忘れずに。その手間が面倒くさいようなら、お店で買ったほうが絶対に安心だ。
Q12. 週末しか乗らないなら、レンタカーやカーシェアリングのほうがいい?
A12. 制限を前提に、車を純粋に移動手段として捉えるなら金銭面では良い選択かも。
月に1〜2回程度、しっかり利用したとしても、だいたい2万円以下で済む。ただし、レンタカーもシェアカーも時間制限があるため、本当に必要な際の移動手段という割り切りが肝心だ。特に後者は、乗りたいときに空きがなかったりもするので、利用計画を立てることが必須。愛着を持って楽しんで乗りたい! と思うならば、購入を前向きに検討しよう。
教えてくれた人
若林由晃
わかばやし・よしてる|1988年、長野県生まれ。カーリースサービス「定額カルモくん」店長。ディーラーにて整備と中古車販売を経験後、個人向けカーリースの販売に従事。
伊藤真二
いとう・しんじ|1978年、青森県生まれ。ファイナンシャルプランナーであり、車の情報WEBメディア「カルモマガジン」の監修も担当。お金と車にまつわる記事を多く執筆。
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