ライフスタイル
深遠なメルセデスの入り口。
2024年5月28日
成功者の証しという先入観を払拭してくれたのが、「フランスの地方に行くと、ボロボロのメルセデスを生活の足として所有しているおじさんがいたりします」という田代さんの言葉。若い世代がそんなふうに乗りこなせたら、とても洒落ているだろう。田代さんの愛車、W123のフランクな顔つきにもとても親近感が湧く。ハリーさんは’90年代のAMG仕様のW124を所有。一見、ギラッとした印象もあって、やはり、成功者? と思ったら、探し求めた理由は「ハイパフォーマンス」にあり。しかも、20代で乗るからこそ価値があるって、カッコいいね! 選択のきっかけは両極端だけど、これこそメルセデスの奥深さ。自分なりの扉を探してみたくなった!
MERCEDES-BENZ W123 23OE – 1983
勝手にフランス志向と思っていたけど、実は8年ほどゴルフⅡを愛用していたという田代さん。「ルノーの古いモデルはいつか乗ってみたいけど、日本だと流通自体が少ないのと、壊れたらパーツに困りそうだなと。お店の荷物を運ぶ日常のための車なので、ドイツ車がちょうどいいんです」。次に選んだのは、1976年から1985年までエントリーモデルとして絶大な人気を誇ったW123セダン。
決め手はメゾンブランドが手掛けたような内装。タバコのヤニで黒ずんでいる車体も多いそうだが、かなり状態のいい一台をゲットした。
オーナー
田代翔太(38) 『MERCI BAKE』『CHEZ RONA』オーナー
「自分にとってのメルセデスの魅力は、日本で言うとクラウンのような“おじさん”っぽさ。ただ、これより前の年代だと趣味の車になっちゃうかなって。屋根にルーフキャリアを取り付けようと考えているくらい、軽やかに乗りこなしたいんです」
MERCEDES-BENZ W124 3OOE AMG – 1992
古き良きアメカジが好きなハリーさんは、車も懐古趣味。メルセデスのグループ会社でもあるチューニングメーカー、AMGがハンドメイドで手掛けたサーキット仕様のW124をずっと探していたとか。燃費は悪くともAMG仕様のマフラーから低いエンジン音を響かせながら、街中を走る姿はすごく気持ちよさそう。ブリリアントシルバーのボディはちょっと不良なムードもあって、若者が乗っていたら確かに目を引くし、とにかくクール。
W124の販売・修理を専門とする『トータルアクセス』で購入。昔のベンツのセダンには、トランクの裏側に三角表示板が標準装備されている。
オーナー
ハリー(28) 「Yuthanan Agency」プロデューサー
「発売当時、日本はバブル真っ只中。それでも50台しか輸入されなかった車体です。年を重ねてからノスタルジーに浸って乗るんじゃなく、若くして乗りたかった」。
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