ライフスタイル

春を楽しむボタニカル・ライフ。

新生活のためのショッピングリスト。

2024年3月27日

新生活とファッション ’24


photo: Keisuke Fukamizu, Masaki Ogawa, Masuhiro Machida
styling: Yusuke Takeuchi
translation: Momoko Ikeda
edit: Ku Ishikawa
2024 年4月 924 号初出

Faux Flowers Are Beautiful

 花を買い、飾るという行為は素敵な習慣だ。でも東京は時間の流れ方がスピーディで、住んでいる僕らだってせかせかしてしょうがない。買ったはいいものの大して眺めることなく枯れてしまう儚さよ。だから『Swimsuit Department』の郷古隆洋さんに〈イケア〉の造花のクオリティの高さを教えてもらってすぐに買った。飾ってみると日本のそれとはクオリティが段違いで、植物の種類も豊富で華やか。倉俣史朗の名作チェア「ミス・ブランチ」でアクリルに閉じ込められたバラの造花を最近鑑賞したこともあって、造花に対する好感度が急上昇中。空のワインボトルや、民藝の水差しに雑に飾っている。あえてタグをつけっぱなしにするのも好き。¥99~(すべてイケア☎0570·01·3900)

Feeling Lucky!

 あまりにもよく知っているせいで、その偉大さに気づきにくいものってある。最近、そう思ったのが、このゾウのじょうろ。だって、「ゾウ」を「じょうろ」にしちゃったんだぜ? 鼻から水が出るんだぜ? 「MoMA」のパーマネントコレクションに収蔵されたっておかしくないよ。とは褒めすぎかもしれないが日本生まれの偉大なデザインを、先日ハワイに住む友人が使っていて、強く影響されてしまった。使ってみれば見た目のかわいさに加え、軽量であることやしっぽの部分がフックに引っ掛けやすくなっていたり、機能性も備えていたことを知る。小サイズも最高にキュート。各¥110※編集部調べ(ナカヤ化学産業 www.nakaya-kagaku.co.jp

Succulent Hydroponics

 よくある多肉植物も、育て方を変えれば全然違うものに見えてくる。吉祥寺の『OUTBOUND』の窓辺に並んだガラス容器に浮いた姿を見たときは、その生々しいインパクトに慄いた。この浮遊感。そして上部の重さに対して、あまりに頼りない根っこよ。少しこだわりを見せたいのが容器部分。店主・小林和人さんはスウェーデンのガラスメーカー〈スクルーフ〉のものを。これは惜しくも現在は廃番になってしまったモデルだが、似たような商品はありそうだ。インテリアスタイリスト・竹内くんは「イタリアの工業デザイナー、ジョエ・コロンボの『スフェリコ グラス』なんてどうですかね? 幾何学的なフォルムが多肉とも合いそうです」と言っていた。

No Hassle At All

 観葉植物を探しに、ホームセンターの植物売り場を覗いたが、選択肢がありすぎて何も選べなかった。安いし、気になるものを片っ端から買ってもいいんだけど、当たり前だけど生き物なわけで、日々のお手入れをサボればいつの間にか萎れてる。気づくと手を合わせながらゴミ箱に。全然サステナブルじゃない。「これ、ずっと一番元気っす」と『BULLPEN』のオーナー・佐野彰彦さんが教えてくれたのはサンセベリア・ボンセレンシス。佐野さんは友人がお店をオープンすると、お祝いにこれを贈ることが多いそうだ。どんな人の手に渡っても手がかからない、お利口さんだから。グリーン始めはここから。サンセベリア・ボンセレンシスと鉢のセット¥20,000(BULLPEN☎03·6407·0526)

Reverse Thinking

 雨が降った翌日、ピーカンだとすごく気分が良い。ベランダに出る。でもサンダルはびちゃびちゃだ。足の裏が濡れるのが気持ちいい、なんてワイルドな人間ではない。今季からスタートのシューズブランド〈PPACO〉はその問題をシンプルに解決した。履き口が直線的なデザインで、ご覧のように伏せて置いておける。これで雨に降られても中が濡れることはない。ああ、何の不安もなく日光を浴びられる幸せよ。ソールのイボイボも柔らかくて履き心地もたまらない。デザイナーは、〈foot the coacher〉や〈BEAUTIFUL SHOES〉を手掛けてきた竹ヶ原敏之介さん。身の回りをアップデートできるのは、良い大人ならでは。ちなみにこのカラーは〈WTAPS〉とのコラボ。ベランダに緑がまた一つ。¥14,300(PPACO/WTAPS WEB www.wtaps.com

Craft Beer Upcycling

 この植木鉢、なんとあの中目黒の『HATOS BAR』のオリジナル。海外のブルワリーからクラフトビールを輸入するときに使われるプラスチックの容器を切断して生まれたアップサイクルなプロダクト。アンバーカラーもムーディだし、朝と夜で表情が全然違う。陶器じゃなくてプラっていうのも軽快だ。なんであんなに飲みに行くのに気づかなかったんだろう。大阪の『CopyArt Collective』で山積みになっているのを発見した、いわば大阪から東京への逆輸入もの。もちろん『HATOS BAR』でも売ってます。¥2,420~(すべてCopyArt Collective☎06·4963·3753)