ライフスタイル

スタンダードなナイフ、ユーモア満載のソルト&ペッパーetc。キッチンに置くものいろいろ。

新生活のためのショッピングリスト。

2024年3月24日

新生活とファッション ’24


photo: Masuhiro Machida, Keisuke Fukamizu, Masaki Ogawa
styling: Yusuke Takeuchi
translation: Momoko Ikeda
edit: Ku Ishikawa
2024 年4月 924 号初出

Quirky, Salt-And-Pepper And Footed Glass

 自分でもどうなんだろうって思う。新生活に斜め上どころか、真上から最大速度で落下してきたような風変わりなグッズを紹介するのは。でも出合ってしまったのだ、大阪の『YAMASTORE』で。へんちくりんと言っても間違ってないと思う、このユーモア満載の2人1組はソルト&ペッパーだ。野球ボール、じゃがバターは百歩譲ってまだわかる。目覚まし時計と寝坊した男に、バーベキューソースと網にフライ返しってどういうことよ。かつての日本のポストモダンデザインも結構際どいことやってるなって思うのだが、アメリカの古きものはぶっ飛び方がちょっと比じゃない。仕事で怒られて帰ってきた日に、目に入ったら勇気をもらえること間違いなし。そういう意味でおすすめ。ミニカーの脚付きのプラワインカップは『YAMASTORE』のオリジナル。おすすめの理由は同じく。アホやなー(笑)。ソルトアンドペッパー¥3,850~、プラカップ各¥3,300(すべてYAMASTORE☎06·3136·3211)

Japanese? American?

 チューブボトルタイプが台頭したせいで、鮮度と引き換えにデザイン性を失ってしまった醤油業界。海外旅行へ行ったら日本の食材を扱うスーパーへ立ち寄ってみてほしい。この「ヤマサ」や「キッコーマン」などの昔懐かしい醤油差しがアメリカンなデザインに衣替えして売られているから。角刈りの友達が留学したらドレッドになってたみたいな感覚。酸化しやすいので冷蔵庫での保存をおすすめする。5ドル程度で購入できる。

Fridge As Noticeboard

 冷蔵庫は大事な手紙や書類、欠かさず見るゴミ捨て表を貼っておくという意味で、家にとって重要な掲示板。だから旅先や美術館で気に入ったマグネットを買っておくのが習慣化しているが、磁石の強さやサイズにおいて圧倒的な一番手はいない。そんな当て所ない磁石探しに終止符を打ったのが『HOEK』で見つけたこのクリップ。ビー玉を内蔵していて、下から紙を入れればずり落ちない。取りたいときは横向きに引っ張るだけ。ステンレス製だし形もいい。こういうのこういうの。イージークリッパー¥990(HOEK☎03·6805·0146)

It’s So Sharp

 朝食はバゲット派という人はそう多くないと想像するが、パン切りナイフはあったほうがいい。食パンを一斤買うこともあるし、熟したトマトもスパッといける。波型の刃とプラスチックの持ち手、コンパクトなサイズで1650円。おまけにビクトリノックス製とくればキッチンに常備しておいて損はない。¥1,650(LADER☎075·406·5230)

I Want To Spend My Life With You

 覚えておこう。包丁とフライパンと小鍋の次くらいに、計量カップはよく使う。でも買い替えることはほぼない。だから一発で正解を選ばないといけない。1999年から優れた日用品を紹介する『Roundabout』に20年以上鎮座するのがドイツの実験器具メーカー「VITLAB」のカップ。落としても割れない、そして軽量なポリプロピレン製。一人暮らしなら500mLだ。なんてことのないことが正解の日用品の象徴であり、店主の小林和人さんは、これを棺桶に入れてほしいと言っていた。メジャーカップ500mL ¥1,914(VITLAB/Roundabout☎03·6407·8892)

Small Is More

 僕らの生活レベルなら包丁はペティナイフで十分と、暮らしの達人たちが皆証言していた。達人曰く「白菜まるごととか、骨付きの肉なんて捌かないでしょ?」はい、おっしゃるとおり。一丁前に合羽橋まで出向き、釜浅さんで熟考すること1時間。選んだのが昨年秋に発売されたオリジナルの包丁「amane」だ。「あまね」く使ってほしいという願いが込められた一本はまさにスタンダード。まな板は包丁の刃を傷つけないイチョウの木をチョイス。底が舟形なのですっと指が入りやすくすごく使いやすいんだ。ペティナイフ150㎜ ¥13,750(釜浅商店☎03·3841·9355) まな板¥1,760(ロク☎075·756·4436)