カルチャー
惜しくも閉店したあの喫茶店のテーブルや椅子が買える店へ。
2021年10月15日

日本が世界に誇るコーヒーカルチャー、それはいわゆる「純喫茶」をはじめとするクラシックスタイルの喫茶店。半世紀以上も営業を続ける店もあり、もはや文化遺産と言っても過言ではないが、店主のリタイアや建物の老朽化などさまざまな理由から、残念ながら閉店してしまう店舗も少なくない。そんな歴史に幕を下ろした古き良き喫茶店で使用されていた中古の家具や備品を扱う店が西荻窪にある! と聞いて向かった先、そこはやっぱりクラシカルな喫茶店。そしてその背後にも、老舗の閉店にまつわるストーリーが。
「もともとはオンラインショップで家具などを販売していたのですが、約3年前、ここで40年以上営業していた喫茶店『ポット』の店主の方が、高齢を理由に閉店されると伺って、店舗を引き継ぐ形で新たに店をオープンしました」と話すのは、店主の村田龍一さん。

「若い頃から喫茶店が好きでお店を巡っていたのですが、オンラインショップを始める10年ほど前、好きだった近所の喫茶店が閉店することになって。残された家具はどうなるのかとマスターに尋ねたら捨てると仰るので、テーブルと椅子のセットを譲っていただいたんです。当時はまさか商売にするとは思っていなかったのですが、せっかく長年使い込まれて味わいのある、現代にはないデザインの家具やカトラリーなどが失われてしまうのは惜しい、僕以外にも欲しい人がいるんじゃないかと思い、販売してみようと考えました」
こうして始めたビジネスだが、単にレトロな中古家具を売るだけではない。『村田商會』HPを覗いてもらえばわかるとおり、椅子やテーブル、カップやグラスから看板やメニュー表に至るまで、ありとあらゆるものが「どの店でどんなふうに使われていたか」を明かした上で販売されているのだ。それぞれの喫茶店の歴史や店内を紹介する記事も掲載されていて、店が培ってきた長い時間に対する村田さんのリスペクトと愛情が強く感じられる。




右は新御茶ノ水『茶居夢』、その他は相模原『異邦人』から(各¥600)。








「これまで30以上の閉店したお店の備品を引き取ってきましたが、店主の方々がとてもよくしてくださって、仕入れの際に『最後の一杯』を淹れていただいたりすることも。販売した備品は個人のお客様が自宅で使われることもあれば、どこか遠くの喫茶店で再び使われるケースもありますね。なかには、お店の常連だったお客さんが記念に購入されたりも。喫茶店のマスターをやりながらの販売は大変ですけど、続けていきたいですね」

インフォメーション
村田商會
◯東京都杉並区西荻北3-22-17 ☎︎なし 12:00~19:00 月・火休(祝日の場合は不定休。HPにて要確認)
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