フード

新連載|USEFUL SPAGHETTI RECIPE Vol.1

ゲスト・ユザーン/貝出汁を満喫するスパゲッティ

2021年8月24日

illustration: Tomomi Mizukoshi
design: Shohei Yoshida
cooking & text: Rio Hirai
movie: Ryoma Uchida
edit: Yu Kokubu

調理担当者

調理担当者

レストランの味、ジャンク系、和風、喫茶店のオリジナルメニューなど、スパゲッティにはそれぞれ違った魅力があってどれも最高に美味しいけれど、これから掘り下げていくのは誰もが持っているであろう”自分なりのスパゲッティの使えるレシピ”。その人が偏愛して生活の一部になっているレシピにはすごい説得力がある、というかどんな名店にも負けない味が潜んでいる気がする。ということで、この連載は誰かのUSEFUL SPAGHETTI RECIPEを淡々と掲載していく忘備録。実際に調理してみて、失敗談も含めて感想を全部メモっていこうと思う。今回レシピを教えていただくのはタブラ奏者のユザーンさん。ユザーンさん、本日はどんなレシピを?

ユザーンさん

ユザーンさん

ムール貝を使った『貝出汁を満喫するスパゲッティ』です。


<貝出汁を満喫するスパゲッティのレシピ>

作り方

調理担当者

調理担当者

どうしてこのスパゲッティを選んだのでしょうか?

ユザーンさん

ユザーンさん

適当に作っても、ムール貝が勝手においしくしてくれるからです。

調理担当者

調理担当者

1つ疑問なのですが、(調理工程「5」によると)作っている途中で、一旦ムール貝を全部食べ切ってしまう感じでしょうか?

ユザーンさん

ユザーンさん

はい。貝はパスタを入れる前に食べ切ってすげえつまんないビジュアルにしてください。

調理担当者

調理担当者

斬新ですね。ちなみに作る時の注意事項や、おすすめの“ちょい足し”具材があれば教えてください。

ユザーンさん

ユザーンさん

ムール貝から予想以上に塩味が出るので、食べてみてから「なんか塩が足りないな」と思った場合のみ塩を足すようにしてください。お好みで黒コショウを振ってもいいと思います。

Let’s Try!

まとめ

調理担当者

調理担当者

ユザーンさんが教えてくれたのは「貝出汁を満喫するスパゲッティ」。ムール貝を白ワインで蒸し、そのムール貝を一旦全て食べ切り、その蒸し汁でスパゲッティを和える、というあまり買い慣れていないムール貝さえ入手すれば結構簡単に作れるレシピだった。事前にメモ(※上記のレシピはユザーンさんの手書き)だけもらい調理を始めたのだが、いざ作ってみると「途中で貝は全部食べ切ってしまっていいのか問題」が発生。だって完成図が麺だけになっちゃうよ? と思ったから。本人に確かめてみると「貝はパスタを入れる前に食べ切ってすげえつまんないビジュアルにしてください。」と。つまりムール貝の酒蒸しは前菜扱いで、スパゲッティは残った貝のスープで茹でて、素朴に頂くわけだ。(今回、麺を別で茹でてスープと合わせちゃったけど本当は貝のスープに乾麺を直で投入してスープを吸わせるのが正しいそうだ。ユザーンさんすいません!間違えました。)肝心の味は、スパゲッティがムール貝から溢れ出たスープを含んで口の中で複雑な旨味が爆発! って感じだろうか。ユザーンさんのいう通り”つまんないビジュアル”だったのかもしれないが、冗談抜きで驚愕の美味しさだったのでこのミニマルな完成図が最終的には格好良く見えてきた。ちなみに味付けはニンニクと鷹の爪、あとはムール貝の出汁に任せてほぼ塩も足していない。貝の出汁、恐るべし!今回レシピ通りに調達できなかった食材は”生のムール貝”。業務用スーパーの冷凍品で代用した。ユザーンさんのレシピには「生のムール貝を金ダワシでよく洗う」とあるが、実践した結果、じゅうぶん美味しいのでそこが面倒な方は最初から冷凍一択でもいい気がした。生だとどれだけレベルアップするのか、いつか挑戦してみたい。

完成!

今回レシピを教えてくれた人

ユザーンさん

ユザーン

1977年、埼玉県生まれ。タブラ奏者。オニンド・チャタルジー、ザキール・フセインの両氏にタブラを師事。2014年にソロ名義のアルバム『Tabla Rock Mountain』を発表した。2019年にはベンガル料理のレシピ集『ベンガル料理はおいしい(著:石濱匡雄)』を監修。2021年、U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESSとしてアルバム『たのしみ』をリリース。

※読者の皆様へ
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