カルチャー
10月はこんな本を読もうかな。
公園で秋の到来を告げる涼風を感じながら読みたい3冊。
2023年10月1日
text: Keisuke Kagiwada
『哀れなるものたち』
アラスター・グレイ(著) 高橋和久(訳)

ヨルゴス・ランティモス監督&エマ・ストーン主演の話題作『哀れなるものたち』の原作だ。舞台は19世紀末のグラスゴー。1人の天才科学者が自殺した女性に赤ん坊の脳を移植するという蘇生実験に成功する。かくして、”見た目は大人、頭脳は子供”として蘇ったベラという名のその女性が周囲を翻弄しまくる姿を、かなり複雑な仕掛けを通して描いているのだが……これどうやって映画化したの!? ¥1,650/早川書房
『となりのブラックガール』
ザキヤ・ダリラ・ハリス(著) 岩瀬徳子(訳)

ニューヨークの老舗出版社で、唯一の黒人女性として働く編集アシスタントのネラは、すっかり疲弊していた。なぜなら、職場の同僚が人種問題をまったく理解してくれないから。そんなある日、同世代の黒人女性が入社してくるのだが、それは必ずしも歓迎すべきことではなかったようで……。”「ゲット・アウト」×「プラダを着た悪魔」”という宣伝文句が言い得て妙な、ニュージェネレーションのBLM小説。¥3,080/早川書房
『ピュウ』
キャサリン・レイシー(著) 井上里(訳)

外見からは人種も性別もわからず、自分からも何も語らない人物が、突如としてひとつのコミュニティに現れたらどうなるか。しかもそれが、異人種を視界の外に追いやることで穏やかに暮らしてきた、アメリカ南部の白人の町だったら。本作が描くのはまさにそれ。住人たちによって「ピュウ」と名付けられたその人物は、イエスでもノーでもない”グレーゾーン”を生きるバードルビーの末裔なのかもしれない。¥3,080/岩波書店
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