トリップ

ストリートアートの奇跡トリプルコラボ、LAに行ったら大谷翔平より〈T&Y GALLERY〉に急げ!

2023年9月12日

photo: Muto Aya
text: Akihiro Furuya

ギャラリーは西河岸のストリートカルチャーのアートフェスのような賑わい。

 ロサンゼルスのダウンタウン、その昔は1ブロック移動するにもクルマが必要なくらい物騒なところだった。それが再開発効果と世界の三大メガギャラリーともいわれる、スイスの〈ハウザー&ワース〉が製粉工場をダイナミックにリノベーションして、ミュージアムやら本屋やらレストランを併設したスペースを作ったものだから、「アート・ディストリクト」と呼ばれるくらいのすかし系エリアに変貌した。時代は変わります(それでもすぐ隣のスキッド・ロウはいまだに怖いけどね)。

 そのアートディストリクトのグルメゾーンにこの夏の終わり、8月24日にオープンしたのが〈T&Y GALLERY〉。LAでは珍しいレンガ作りの古い倉庫をリノベしたダイナミックな空間。まあ、とにかくでかい(約372㎡)。このギャラリー、日本のカルチャーを発信するっていうのがミッションで、オープニングを飾るのはVANSのグローバルキャンペーンでもお馴染みのアーティストの花井祐介さん。正しい人選といえよう。

「せっかくいいアーティストがたくさんいるのに、日本だけで消費されているのはもったいないですよね。SNSとかで終わらず、このギャラリーの力を借りて、もっとリアルに発信したかったんです」とは〈T&Y GALLERY〉代表の栗田裕一さん。

 栗田さんにとって花井さんはファーストコールのアーティストで、ソロで展示を始める予定だったけど、ギャラリーのデカさゆえ、あまりにうれしすぎる誤算が。

「大きいとは聞いていたんですが、下見に来たら予想以上に大きくて、ボク1人で埋まるかなって感じだったら、西海岸のサーフィンのレジェンドでアートアイコン、ハービー・フレッチャーを誘って二人展ということになったんです」とは花井さん。

 そこにまたメガトン級の誤算が。なんと、ハービーさんの口利きというか、レジェンドの強権的なねじ込み力で?、あのストリートアートのカリスマ、バリー・マッギーまで参加することに。

「アーティスト同士が自然と動き始めたんですよ。西海岸の横乗りカルチャーを代表する二人が加わったことで、ボク自身もワクワクする取り組みになりました。花井くんもバリーのことは崇拝しているし、考えはつくけど、実現させるとなると、まずできないカップリングですよね。なんたって、トリプルワークですから。ビジターのボクらには最高の流れになりました」とは栗田さん。

 ギャラリーにはそれぞれのライフワークとも言えるシリーズの展示。花井さんはもちろん「オーディナリー・ピープル」とサーフシャックな海小屋。気になるトリプルコラボはハービーさんのシェイプカラーリングと、バリーの手書きによるディケール、そして花井さんのペイントが施されたウルトラレアなサーフボード4本。もったいなくて乗れません。そしてエントランスに飾った、3人による自由奔放というか制御不能なペイント。三者三様でもあるし、三者一様でもある、ストリートの真髄がまさにいま展示されてます。LAでは二刀流、大谷翔平も必見だけど、この展示もほぼマストかも。いますぐお腹を空かせてアートディストリクトに!

インフォメーション

T&Y GALLERY

T&Y GALLERY

◯821-823 E 3rd Street,Los Angeles,CA 90013 U.S.A. 11:00〜18:00 日・月休

Official Website
www.tandygallery.com/