ライフスタイル
【#2】慰霊の日
執筆: 石橋静河
2023年7月17日
photo & text: Shizuka Ishibashi
edit: Yukako Kazuno
私は、一年くらい前から沖縄に心を奪われている。一つ作品が終わるたび沖縄に向かい、沖縄の人々、自然、文化に魅了されている。

先日またひとつ作品が終わり、沖縄に行った時はちょうど慰霊の日の時期だった。テレビでは、沖縄戦についてたくさん特集していた。いつも、沖縄の人々が受けたあまりにも大きすぎる苦しみについて、外の人が意見してはいけないような気がする。だから、その日もテレビの中で戦争の記憶を語る人たちに、ただ耳を傾けた。
慰霊の日の前日、眠りにつく直前にうなされた。沢山の苦しんでいる顔がみえたような、自分が火炎放射器で焼かれているような気がした。ただの夢だが、とてもこわかった。
慰霊の日、沖縄出身の友達から、「慰霊の日に沖縄にいられることが貴重だからよかったらお祈りしてね」とメールが来た。その苦しみを理解することは到底できないと思う。でも、少しでも彼らが苦しみから解放されますように、と祈った。梅雨明け直前の夕方の空に、美しい雲と、虹が出ていた。

プロフィール
石橋静河
いしばし・しずか | 俳優。1994年、東京都生まれ。2015年の舞台『銀河鉄道の夜2015』で俳優デビュー。初主演作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』で第60回ブルーリボン賞新人賞、第91回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞ほか多数の新人賞を受賞。近作に映画『あのこは貴族』『前科者』、舞台『桜姫東文章』『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』、ドラマ『東京ラブストーリー』『大豆田とわ子と三人の元夫』『鎌倉殿の13人』『まんぞく まんぞく』『探偵ロマンス』など。7月期テレビ朝日オシドラサタデー『ノッキンオン・ロックドドア』に出演。
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