カルチャー

あの人がメキシコへ向かう理由。/きゃりーぱみゅぱみゅ

原宿からメキシコへ。雑貨が世界を広げる。

2021年5月2日

styling: Erisa Yamaguchi
hair & make: Minako Suzuki
photo: Kengo Shimizu
edit & text: Keisuke Kagiwada
2019年8月 868号初出

人生で初めてコレクションしたのがメキシコ雑貨なんです。

きゃりーぱみゅぱみゅ

 日本にいながらもっともメキシコを身近に感じられるものって何だろう? グルメ? 音楽? 熟考の末にたどり着いた答えは、雑貨だった。まぁ、実家で母がメキシコのランチョンマットを電話機の下に敷いていたのを思い出したってだけなんだけど、そういうカジュアルな路線からメキシコに接近していくってのも悪くないんじゃないか。きゃりーぱみゅぱみゅさんが自宅に大量のメキシコ雑貨を飾っている写真をインスタグラムにアップしているのを目撃し、その思いつきは確信に変わった。

「私、テレビの取材でよく『コレクションしているものなんかありませんか?』って聞かれるんですよ。でも、なんにもなくて。厚底ブーツとかウィッグとかあるにはあるけど、それぞれ4つくらいですからね……。だから、メキシコ雑貨は私の人生で初めて自信を持ってコレクションと言えるものなんですよ!」

 そう興奮気味に語りながら持参してもらったアイテムをテーブルの上に広げてもらうと、出るわ出るわ、最終的に道端の露店みたいなありさまに。確かにこれは、まごうことなきコレクションだ。まだメキシコには行ったことがないそうだが、集めだしたきっかけは何だったのだろう。

「そもそも原宿界隈の人って十字架モチーフとかが好きで、私がよく行く古着屋さんやサロンにも飾ってあったんですよ。2年前に自宅を引っ越したとき、そういう民族調のものを飾りたいなと思って、お店の人に『どこで買えるんですか?』って聞いたら、『大阪にある「PAD」ってお店ですよ』って教えてもらって、仕事で大阪に行ったとき、入ってみたんです。そしたら、なんかちょうど入荷日だったみたいで、お店の人に『普段こんなに揃っていることはありません』って言われちゃって(笑)。チャンスだと思って、『これもかわいい! あれもかわいい!』って、2時間くらいずっと買い物して、気づいたら10万円くらい使っていました(笑)」

メキシコ雑貨

 以前、きゃりーさんは、テレビですこぶる財布のひもが固いと言っていた。そんなきゃりーさんをしてそこまで散財させてしまう、メキシコ雑貨の魅力が気になった。

「どれも民族調なんだけど、カラフルでポップなところが好きなんです。こういう柄とか色合いはステージ衣装の参考にもしています。今は要素を少ししか入れてませんけど、いつか全面的にメキシコをテーマにしたライブをしてみたいですね。あ、あと、魔除けとか“意味がある”ってところも素敵だなって思います。手作りなのに、基本的にリーズナブルなので友達にプレゼントするのにちょうどよくて。私が一番集めているのは、クロスモチーフのものですね。他には、マリア様も結構あります、全然クリスチャンとかではないんですけど(笑)。逆にガイコツやプロレスのモチーフのものは、友達にプレゼントすることはあっても、自分の部屋には飾らないんですよね。何でなのかは自分でもよくわからないんですけど」

 そして2017年、きゃりーさんのメキシコへの興味をさらに加速させる出来事が起こる。メキシコが舞台のディズニー映画『リメンバー・ミー』が日本で公開されたのだ。

「もう『リメンバー・ミー』に心を動かされすぎちゃって。今日もガイコツのメイクをしちゃおうかと考えたくらいです(笑)。だから、11月2日は『死者の日』(年に一度、亡くなった人が家族に会いに来るとされる祝祭日)に参加しに行こうと計画しているんです。でも、行ったら雑貨をめちゃくちゃ買っちゃうんだろうな。どうしよう(笑)」

プロフィール

きゃりーぱみゅぱみゅ

きゃりーぱみゅぱみゅ

1993年、東京都生まれ。2011年に中田ヤスタカのプロデュースによるミニアルバム『もしもし原宿』でデビュー。主なアルバムに『ぱみゅぱみゅレボリューション』『なんだこれくしょん』。今年の8月にデビュー10周年を迎える。ジャケット¥88,000(TORO VINTAGE CLOTHING☎03・6447・4147) その他は私物