カルチャー

2月はこんな本を読もうかな。

寒い夜にベッドの中で読み耽りたい4冊。

2023年2月1日

text: Keisuke Kagiwada

『インヴェンション・オブ・サウンド』
チャック・パラニューク(著) 池田真紀子(訳)

『ファイト・クラブ』の原作者が、現代に放つ狂気の物語。「全世界の人々が同時に発する悲鳴」の録音を目指すハリウッドの音響技師ミッツィと、児童ポルノサイトで行方不明の娘を探し続けるフォスターを通してえぐられるのは、アメリカ合衆国の暗部だ。ぜひデヴィッド・フィンチャーに映画化してほしい。¥2,420/早川書房

『今日のミトロジー』
中沢新一(著)

スケボー、シティ・ポップ、『マトリックス』、『孤独のグルメ』からキラキラネーム(!)まで、僕らにも馴染み深いポップな話題を取り上げながら、その中に潜む神話的思考を炙り出したエッセイ集。それにしても、BTS=花郎(ファラン)という説には、衝撃を受けざるを得ない。¥2,420/講談社

『MY NIPPON SURFING SOUNDS』 
トロピカル松村(著)

POPEYEウェブでもお馴染みのトロ松ことトロピカル松村さんが、自身初となる著書をリリース! 70年代後半から80年代前半のサーフィンブーム期に日本で生まれた、知られざるサーフサウンドがたっぷりと紹介される。いなせなジャケット写真を眺めているだけでも楽しく、特にブルート・イースト・ファミリーの『ヘイ! ミス・グッフィ』がヤバい。¥3,080/銀河出版

『希望の怪物―現代サブカルと「生きづらさ」のイメージ』
田村景子(著)

日本のサブカルチャーの世界で跋扈する怪物たちは、何を表現しているのか? 『風の谷のナウシカ』『AKIRA』『寄生獣』『新世紀エヴァンゲリオン』など、80年代から現在に至るまで数多く描かれてきた怪物のイメージを通して分析される。なるほど、そういう見方があるのかと、目からウロコが落ちまくること必至。¥1,980/笠間書院