カルチャー

さーて、12月はどんな展示に行こうかな。

年越し前に行っておきたい展示5選。

2022年12月21日

リオネル・エステーヴ「日に潜み、夜に現る」
@ペロタン東京

Exhibition views of Lionel Estève “What the Day Hides, the Night Shows” at Perrotin Tokyo.
Photo by Keizo Kioku. Courtesy the artist and Perrotin.

フランス人アーティスト、リオネル・エステーヴによる日本初となる個展がペロタン東京にて開催。宇宙や海を思わせる深い青の布地に描かれたドローイングと、石を組み合わせた立体作品という2種の作品群が並ぶ。原初の自然のイメージが広がる展示空間に、想像力が刺激されてインスピレーションもMAXになること間違いなし。公式サイトに載せられているキュレーターの三木明子氏の示唆に富む文章も併せて読んで鑑賞すればより理解が深まるはず!

会場:ペロタン東京
会期:2022年10月28日(金)~2023年1月7日(土)
時間:12:00〜18:00
休み:日、月、祝
料金:無料

中谷ミチコ「デコボコの舟 / すくう、すくう、すくう」
@アートフロントギャラリー

《デコボコの舟》2022 展示風景
photo: Hayato Wakabayashi

彫刻というと、木や石・金属や粘土といった素材を作家がイメージするカタチに削ったり、足したりすることで作品にしていく。だから当たり前だけれど、彫刻は平面ではなく立体としてこの我々が住む三次元の空間に存在するわけだ。ところがどっこい中谷ミチコが本展で展示しているのは、そんな彫刻の前提を逆手にとるかのような新たなイメージである。粘土で作った像を型取り反転した凹凸として表現された造形。その凹んで質量をもたない部分、いわば三次元の空間に存在していない部分には、たしかに”不在”が”存在”しているのだ。そんな詩的な空間に身を委ねてみては!

会場:アートフロントギャラリー
会期:2022年11月30日(水)〜2023年1月22日(日)
時間:水~金 12:00〜19:00/土日 11:00〜17:00
休み:月、火、および冬季休業12月26日〜1月6日
料金:無料

ハイドルン・ホルツファイント「こんな今だから。」
@ASAKUSA

ハイドルン・ホルツファイント《the time is now.》 (映像スチル、2019年). (C) Heidrun Holzfeind.

オーストリア出身のアーティスト/映像作家のハイドルン・ホルツファイントがここ日本で制作した2つの映像を軸としたインスタレーション作品《the time is now.》(2019)を展示。映像では、東京都現代美術館での展覧会も記憶に新しい吉阪隆正の設計による「大学セミナーハウス」を舞台に、シャーマニック・インプロ・デュオ「いろ」による神楽舞と即興演奏が繰り広げられる。根底に流れるアニミズムの世界観を通して、より広い視野で”今”を見つめることができるはず!

会場:ASAKUSA
会期:2022年12月3日(土)〜12月30日(金)
時間:12:00〜19:00 ※金土日のみ開廊

The ghost in the room
@TENSHADAI

「The ghost in the room」。お化け屋敷のことではない。いや、ある意味そこはお化け屋敷なのかもしれない。往々にして現代美術というものには、市場での価値や社会における価値、そして作家やキュレーターの意匠や意図など様々なレイヤーが張り巡らされている。ゆえに鑑賞者は作品への解像度を上げなければその「本質」は不可視なのだ。そういった意味で作品の「本質」を存在の曖昧な幽霊と例えているというわけだ。そんな幽霊蠢く会場でぜひ”霊視”してみてはいかがだろう!

会場:TENSHADAI
会期:2022年12月2日(金)〜12月26日(月)
時間:13:00〜19:00
金・土・日・月・祝日はアポイントなしで来場可。
火・水・木曜はアポイント必須。※当日アポイントは無効

Gallery selection: 1990 – 2010
@ギャラリー小柳

Installation view at Gallery selection: 1990 – 2010, Gallery Koyanagi

グループ展「Gallery selection: 1990 – 2010」が開催。そのタイトルの通り、ギャラリーがコレクションしている作品の中から1990年から2010年の20年の間に制作された作品を展示。スペインを代表する陶芸作家のクラウディ・カサノバス、姫路市立美術館での「本歌取り」の展示も面白かった杉本博司、さらには児嶋サコ、吉澤美香、アラーキーまで。ギャラリーの充実ぶりが窺える。いまや大きな美術館でしか見れないようなアーティストたちの過去作にふれることができるチャンス! 企画展もおもしろいけど、思わぬ作品との出会いがあるからコレクション展もいいよね!

会場:ギャラリー小柳
会期:2022年11月10日­(木)〜2023年1月14日(土)
時間:12:00〜19:00
休み:日・月・祝日休廊 ※冬季休廊:12月25日(日)〜2023年1月9日(月)
料金:無料