名前も知らない鍋を食べに行こう。
2023.01.06(Fri)
photo: Kazuharu Igarashi
text: Nozomi Hasegawa
鍋を囲めば自然と会話が弾む。
ましてや名前も知らない鍋だったらより楽しい時間になるはず。
蒸気石鍋魚にムーガタ、ヒマラヤ鍋。ん? 一体どんな鍋? 二人で確かめに行こうよ!

5年前に日本で出会ったフランス出身の二人。「初対面からすぐ仲良くなって、自然と付き合い始めたよ」。遠距離、パリ生活を経て、現在は日本で同棲中。かなりの餃子ラバーで上野の『昇龍』がお気に入り。
食彩雲南湯島店の「蒸気石鍋魚」

読み方はそのまま「じょうきいしなべさかな」。鯛の素揚げに、鶏ガラやかぼちゃ、唐辛子、レモンを煮込んだスープ「黄金湯」を加え、「草帽」をかぶせて蓋をしたら一気に蒸し上げる。マイルドな旨味の後から辛味と酸味がグイグイッとやってくるスープが、魚の骨にまで染み込んでうまい! フワッフワの身を平らげたら〆……ではなく第2章へ。きのこやトマト、自家製米粉麺「米線」、羊肉を投入して、火鍋の出来上がり。羊肉の旨味も加わり新たな味わいに。この鍋はもはやエンターテインメントだ。

Muu Tokyoの「ムーガタ」

焼き肉としゃぶしゃぶを一度に食べられるなんて……! そんな夢を叶えてくれるのがタイ式焼き肉の「ムーガタ」だ。ジュ~と焼かれた肉の脂が豚ガラスープへ自然と落ち、時間がたつほど旨味も増していく。焼いた肉はそのまま食べても、スープにサッとくぐらせてもよし。スイートチリや和風ナンプラーなどのタレをかけて一口、さっぱりとした味に箸が進む、進む! トムヤムチーズ雑炊で最後はコッテリと、お腹も大満足。
KHUMBILAの「ヒマラヤ鍋」

真ん中には丸鶏がドドン! ネパールのおふくろの味、チキンスープをもとに生まれたのが「ヒマラヤ鍋」。カレー鍋のようにも見えるが、ヒマラヤの黒岩塩と丸鶏、ウコンをはじめとする15種類のスパイスを2日間かけて煮込んだスープは、鶏ガラベースで思いのほかあっさり。スパイスの滋味深い味わいと芳しい香りが体いっぱいに染み渡る。や、優しい~! もちろんチキンはホロッホロ。二人でペロリといけちゃうね。