カルチャー

【#3】松本移住、26才古物商のお話③

2022年12月30日

みなさん、こんにちは。

アリサカです。

只今12月27日火曜日。

お天気はアプリの情報よりも木原さんとソラジローのことばを聴くようにしてます。東京。冬らしい西高東低の気圧配置。日本海側からやってくる季節風の残風が東京にも来ているのかな。風が吹くとすこーし肌寒いですが、清々しい冬晴れです。松本のいつもの服装だと暑すぎたので愛用しているヒートテックは脱ぎました。

どうでもいいけど”西高東低の気圧配置”ってことば口に出したくなる響。

さて、年末ということで弾丸2泊3日で実家に帰省中。母の味を堪能。神社で参拝。お墓参り。友人とご飯。少しずつ変わっていく近所の景色。がっつり変わっていく都心の光景。膨大な情報量で半ば脳内パンク間近ですが、ゆっくりやっていきましょう~

そろそろ本題。

お客さんにもたまーに聞かれる「商品はどこから集めてくるんですか?」という声。自分でも当たり前になってきている”買い付け”のあれこれを今回は綴ります。

卸し、買い取り、廃品回収、直買い付けなどなど。お店によって買い付けの方法は様々かと思いますが、偏集舎は蚤の市やリサイクルショップで直買い付けすることがほとんどです。まずはGoogle Maps で全国のお店をひたすらにマークして、それらをひたすらに回っていきます。なかなか根気のいる作業です。まったく買い付けられない時もあれば、お宝がざくざく出てくることもあります。これもまた出会い。そうやって一喜一憂しながら。限られた時間と格闘しながら。これがまあドーパミンどばどばです。

また、結構な頻度で大きな倉庫内で仕入れをすることがあります。モノが上下左右に埋め尽くされていて、歩くのもギリギリみたいなところも多々。モノがたくさん集まった時のエネルギーって想像以上に物凄くて、長く滞在しすぎると脳みそがとても疲弊します。満員電車の中で人酔いしてしまうように、たくさんのモノに囲まれるとモノ酔いしてしまう感じ。それか魂のエネルギー?少し怖いけど少なからずそういうこともあるかも。慣れた今では、できるだけ力を奪われないように、短時間で物色する技は磨かれました。例えるならば、DJがレコードをディグるときみたいに。プライベートでお買い物をする時の目配せの鋭さは格段に成長したかな。職業病。

最後に、買い付けをしていると次のようなことがあります。A店で売られていたモノがB店で安く売られている。価格のズレ。古物の世界は果てしないような気がしていて、どこのブランドのモノか何年代のモノかが明確に出せないモノもある気がしています。それ故に同じモノでも市場に出回る価値にズレが生じるのかなと。ただそれでもいいんじゃないかなとは正直思ったりしていて。

大切にするべきなのは、”いくらで買えるか”ではなくて”どこで買うか”、な気がします。この感覚が1番ハッピーだと思います。Amazonやプチプラで買えるけど、そうじゃなくて偏集舎で買おうと思ってもらえるような。面白いお店にしていきたい。雑居ビルの中の居酒屋より行き慣れた先輩のBarの方が良いように。気持ちの良い方向に。心が満たされる方向に。

このコラムも次回で最後。

次は何についてお話をしようかなと思いを募らせながら。

ではでは。

プロフィール

有坂宗大

ありさか・そうだい|1996年、東京都生まれ。古物商。早稲田大学文化構想学部卒業の後、建築学科に進学。在学中、富ヶ谷のCafe&Bar「CALLAS」のバーテンダー、「Graphpaper」のショップスタッフとして働く。卒業後、長野県松本市に移住。市内のセレクトショップ立ち上げに携わる。現在は、古物屋『偏集舎』として古物商を営む傍ら、マーケットイベントの企画運営や企画展「Interaction of Color -配色の設計-」の主催、また市内のコーヒーショップで珈琲を淹れている。翌2023年春、松本市内でギャラリーを運営予定。

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