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【#3】Bergen Art Book Fair(ノルウェー)体験レポ

2022年5月23日

photo & text: Shinsuke Kanno
edit: Yukako Kazuno

こんにちは! Hand Saw Pressの菅野です。東京の西小山という町でリソグラフ印刷とD.I.Y.のスタジオをやってます。4/1〜3にノルウェーのベルゲンで開催された「Bergen Art Book Fair」に参加してきました。4回に渡ってリポートします!

3/31(木)。ぞくぞくと各地からリソスタジオが集まり始めている。昨日のミニレクチャーの後、PJが「Hand Saw Pressの活動やコンセプトはKnustと似ている思ったよ!」と言ってくれた。尊敬するスタジオなのでとても嬉しい。PJ自身、Endless Editionsの運営者であり、今年からオランダのJan van Eyeck Academieでプリンティングディレクターとしても働いている。リソ界のエース的存在だ。老舗のスタジオKnustとプリントラボを持つJan van Eyeckがあるオランダはリソムーヴメントの中心と言っていいだろう。ノルウェーではリソスタジオやアーティスト、デザイナーが「Rsioforeningen」というコミュニティーを作っていて、情報共有や新聞の発行をしている。今回のBABFに合わせて作った新聞の最新号をもらった。ベンヤミンがインタビューしてくれ、HSPの記事を作ってくれた。彼のように編集やリサーチが得意な人がいたり、アンキのようにオーガナイズが得意だったり、それぞれが協力してコミュニティーを作っているのが素晴らしく、日本でも真似したいと思った。特にBABFのような国際的なフェアの場合、Risoforeningenとして参加することで、ノルウェーのいろいろなスタジオの作品を売ることができたり、忙しい時は助け合ったり、業務上のメリットは大きいと思う。しかしそれ以上にみんな本当に仲が良く、情報共有を頻繁にしているようだ。HSPのこともみんなが迎えてくれて、初めて会うのに家族に会ったような気持ちだ。

明日からBABF本番で、今日は朝から忙しい。Pamflettに行くと既に多くの荷物は外にまとめられ、みんな搬入の準備をしている。13:30に輸送トラックが来ることになっているので、ぼくらも商品やWS材料をまとめる。目処がついたところで隣の美術大学KMDの学食へ。今日はタコス。スタジオに戻るとちょうどトラックが来た。トラックめちゃデカい。業者の人やBABFボランティアスタッフがてきぱきと積み込んでくれて、スムーズに進む。フレドリックとスサナはBABF会場のBergen Kunsthallへ。ぼくらは会期中に行うプレゼンテーションの最終チェックをマーティンと。今日は前夜祭的なイベント「PJのリソ分解WS」が夕方からある。それまでに準備を終わらせたい。マーティンと相談しながらなんとか形になったところで、ハンブルグのスタジオ「Risofort」のマーティンとニキータが到着。フレンドリーな二人は、リソグラフ以外に自転車好きという共通点もあり、話が盛り上がる。Pamflettの前で駄弁ってからKMDへ。扉を開けるとKnustのヤン・ダークとジョイス、oonda/JAM Collectiveのマリーとアルメールが既に来ていた。勢揃い感ある。1980年代からプリントスタジオをやってる伝説的存在のヤン・ダークとジョイスが来たことで、みんなテンション高い。ベルゲンで会えるなんて感激だ。今日のWSはKMDのリソグラフの、インクの劣化によりうまく印刷できないゴールドインクのドラムを解体&整備するWSだ。コーヒータイムの後、みんなでWSの部屋に移動。大きなシンクがあるので、シルクスクリーンなどの道具を洗う部屋なのかも。PJがWSの内容を説明し、早速ドラム分解にとりかかる。日本の場合、保守契約を結んでいることが多く、自分で分解するなんてあまりないだろうけど、海外のリソスタジオはけっこうやっている。Risofortも先週やったと言っている。HSPでも小田さん(現Hand Saw Press KYOTO)と一緒に分解と清掃をしたことがあるが、なかなか大変だった(し、結局ドラム1台ダメにした)。PJがさすがの手さばきでどんどん分解していく。それを見るみんながあーだこーだ口を出していく。分解し、メッシュを洗い、また取り付ける。1時間ほどやっていただろうか。みんなマニアックとも言えるほどリソに詳しいのは、こういう作業を積み上げてきてるからなんだろうな。今回PJに教えてもらったのは、綺麗に濃く印刷したい場合はインターバル3で印刷すること、Macユーザーでも印刷はwindowsから出力した方が良い、だ。

Bergen Art Book Fair(ノルウェー)リポート2

WSを終えて大学を出るとマイクロバスが迎えに来た。どうやら夕飯を食べに行くようだ。こんなによくしてもらっていいのだろうか。日本でもこういうコミュニティーを作り、海外のスタジオと行き来できるような環境を作りたい。この二日間でそんなことを考え始めた。「このバスが事故ったらリソグラファーの人口が大きく減ってしまうね笑」Risofortのマーティンが冗談を言った。バスはお洒落なレストランに着いた。先に来ていたフレドリック&スサナに合流。搬入を終えた彼らはさすがに疲れているようだ。まじお疲れ様&ありがとう! NYのPrinted Matterも合流し、20人くらいの前夜祭だ。カタコトの英語だけど、楽しい時間を過ごす。ノルウェーで人気のマンゴーIPAを毎日飲んでいる。どうやらIssue Pressもベルゲン入りしてるらしい。Instagramでしか知らないスタジオの人と実際に会えるのは嬉しい。いよいよ明日からBergen Art Book Fairだ。

プロフィール

Hand Saw Press

ハンド・ソウ・プレス|東京/西小山のリソグラフ&D.I.Y.スタジオ。空間デザインやイラスト、料理など、得意分野が異なるメンバーで運営。リソグラフ印刷やスモールプレス、日曜大工やワークショップなどをやってます。場所とツールを町にひらき、人、都市、世界とつながるものづくりを目指してます!

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