イギリスの名門パブリックスクール、イートン校ゆかりのスイーツ。
『夜を走る』佐向大(監)を観る。

非常にヒリヒリする作品だ。主人公はスクラップ工場で働きながら、空虚な日々を過ごす中年男の秋本。ある日、彼は1人の女性と知り合ったことにより、のっぴきならない事態に巻き込まれていく。それを通してえぐり出されるのは、現代日本の暗部だ。「マジでこれどこに向かうの?」という不安感しかないその進行ぶりは、地方都市の壊れたジェットコースターに乗っているかのごとし。撮影を務めた渡邉寿岳の不穏な映像美も忘れがたい。5月13日よりテアトル新宿、5月27日よりユーロスペースほか全国順次公開。
『あの図書館の彼女たち』を読む。

1930年代、ナチス政権下のパリでアメリカ図書館に勤めていた女性の人生と、1980年代のアメリカに暮らす少女のそれが交差する。図書館の女性館長がつぶやく「ひとは本を読むものよ」「戦争であろうとなかろうとね」という言葉が感動的だ。『攻撃される知識の歴史 なぜ図書館とアーカイブは破壊され続けるのか』と合わせて読みたい。¥2,420/東京創元社
ラシード・ジョンソン「Plateaus」@エスパス ルイ・ヴィトン東京

巨大なグリッドのなかに入り乱れる植物やシアバター、陶器、本、アマチュア無線機……etc。これらをじっくり観察すると、この作品自体が作者ラシード・ジョンソンを表していることがわかる。個人的な素材がミクストメディアとして混交し、新たな物語を紡ぐ。そんな生命力に溢れた“彼”の一端にぜひ触れてほしい。
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:2022年4月27日(水)〜9月25日(日)
休館日:ルイ・ヴィトン 表参道店に準ずる。
時間:11:00〜19:00
入場:無料
池田亮司展@弘前れんが倉庫美術館

国際的なアーティスト/作曲家である池田亮司の大規模個展が開催中。テクノロジーを駆使し、音や光を用いて鑑賞者を引き込む作品世界が広がる。吹き抜けの大空間に現れる「data-verse 3」はそんな取り組みの集大成でもあるので要チェックだ。れんが造りの美しい建築と共鳴する展示空間は、ここでしか味わえない特別な体験となりそう。
会場:弘前れんが倉庫美術館
会期:2022年4月16日(土)〜8月28日(日)
休館日:火曜日(ただし8月2日は開館)
時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
入場:一般 ¥1,300、大学生・専門学校生 ¥1,000、高校生以下無料 詳細はHPにて
『タチアナ焙煎所』のカルボナーラとプリンとピザトースト
上北沢の喫茶店兼焙煎所『タチアナ焙煎所』に新メニューが3つ登場。店主・テルさんが以前働いていた喫茶店『ぽえむ』のマスターから伝授されたオリジナルレシピで作るカルボナーラは、醤油を入れて炒めた香ばしい一品。ピザトーストは赤ワインで煮込んだミートソースがたっぷりかかり、卵と砂糖と牛乳のみで作ったプリンは固めでクラシックな仕上がり。どれも珈琲と一緒に味わいたい。
インフォメーション
タチアナ焙煎所
火・水・金に1品ずつランダムで登場。◯東京都杉並区下高井戸4-8-2 ☎︎03・6379・8737 9:00〜18:00 月休※木曜は焙煎日のため珈琲豆販売のみ
篠田桃紅展 Toko Shinoda : a retrospective@東京オペラシティ アートギャラリー

篠田桃紅は墨による独自の抽象表現、空間表現を開拓した画家だ。戦後まもなく単身渡米し、海外でも高い評価を得てきた桃紅。展示では、建築とのコラボレーションなど多岐にわたる仕事の全貌を知ることができる。ジャンルに囚われない作品のおおらかさは、五感の全てを刺激してくれるはず。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:2022年4月16日(土)〜6月22日(水)
休館日:月曜日(ただし5月2日は開館)
時間:11:00〜19:00(入場は18:30まで)
入場:一般 ¥1,200、大学・高校生 ¥800、中学生以下無料 詳細はHPにて。