『ボストン市庁舎』フレデリック・ワイズマン(監)を観る。

ボストンはだいたい函館と同じくらいの緯度に位置するので、頭上には抜けるような群青色の空が広がっている。そんな青空の下、トランプ政権時代の市庁舎に密着したドキュメンタリーだ。移民と多様性の街を謳っているボストンらしく、いろいろな出自の人がリベラルに議論している風景が中心に描かれ、トランプ時代のアメリカにもこういう街があったんだなぁと少し安心する。とは言え、ただ真面目なだけのドキュメンタリーというわけでもなく、荷物検査の場面では検査する人の手のアップが映画的としか言いようがない感じで撮られたりするんだから、さすがドキュメンタリー界の“生ける伝説”ことフレデリック・ワイズマン監督だ。11月12日より全国順次公開。
『映画論の冒険者たち』を読む。

堀潤之、木原圭翔(編)
サイレント期から現代に至るまで、映画はもう本当にバラエティ豊かな仕方で語られてきた。本書では中でも独創的な映画論者21人が紹介された入門書。ラインナップは、ベーラ・バラージュ、アンドレ・バザン、セルジュ・ダネー、クリスチャン・メッツ、ジル・ドゥルーズ、そして日本からは蓮實重彦と、映画について考える上で避けては通れぬ人ばかり。映画をより深く楽しむためのヒントがここにはきっとある。¥4,180/東京大学出版会
松上剛 個展”Box and Light” @準備中

特別養護老人ホームで介護職員として働きながら、作品を制作しているアーティスト松上剛による個展が学芸大学の『準備中』にて開催中!メルカリで購入したパペット、それと言って思い入れがあるわけでは無いスニーカー、食卓に並んだピザや脱ぎ捨てたソックス……etc ”身近なもの”がモチーフになっていて親近感が湧くね。
「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展@銀座メゾンエルメス フォーラム

光や動力を取り込んだキネティック・アートやオプ・アートの先駆的存在で、公共の場における観客の参加を促す作品を展開した視覚芸術探究グループ(GRAV)の設立メンバー、そして、活動初期から継続する色の可能性を探求した幾何学的な抽象画で知られるジュリオ・ル・パルク(1928年アルゼンチン、メンドーサ生まれ)による日本での初めての個展「ル・パルクの色 遊びと企て」ジュリオ・ル・パルク展が銀座メゾンエルメス フォーラムにて開催。またとない機会なのでぜひ足を運ぼう。休館日等はHPで要確認。