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恋よ、来い。〜後編〜

恋を探した1か月の物語。

2021年12月29日

illustration: Shigokun
text: POPEYE

気になる子から返信がない……。
 彼女のいない僕は、ペアーズに登録した。映画好きの集まるコミュニティでのチャットで気になった子とマッチング! 初めてのメッセージを送ったのだった。
「はじめまして! フクちゃんです。 いいね! ありがとうございます。 僕も『エターナルズ』観ました。劇場からの帰り道は、ずっとスキーター・デイヴィスの「The End of the World」聴いちゃいました。それにグレタ・ガーウィグの作品も大好きです! 色々話したいので、会いませんか? 今週末とかどうでしょう」
このメッセージを送ってから数日が経つのだが、返信が来ない……。

女性の先輩からダメ出し。良かれと思ってしたことがあだになっていたとは……

 「フクシマくんどうしちゃったの」
 またしてもデスクに突っ伏す僕を見かねて声をかけてくれたのは、編集部の先輩ユウさん。
「実は、ペアーズでメッセージを送ったのに返信がなくて」と相談してみると、「私もペアーズやってるよ! ちょっとどんな文で送ったのか見せてよ。(メッセージを見て)フクシマくん。これは絶対にダメなやつ」といきなりのダメ出し。
 「私の経験から言わせてもらうと、すぐに『会いましょう!』って言ってくる人はまず信用しないかいら!」
 なんと! 会って話したほうが打ち解けやすいかと思っていたのがあだになっていたとは……。
 「まだ顔も合わせたことがない人としかも文章でやり取りするんだから、相手に安心感を与えなきゃ。あと、『こんにちは! 〇〇です。よろしくお願いします』とか定型文の挨拶だけ送るのも嫌かも。そのあと、どんな会話を続ければいいかわからないでしょ? プロフィール写真とか、入っているコミュニティとか、どんなところに興味を持っていいね! してくれたのかを書いたほうがいいよ」

会う前にビデオデートに誘ってみた。

ーーー数日後
 ユウさんのアドバイスを受けて、僕は急成長。好きなアーティストや、銭湯など共通のコミュニティが多くマッチングしたBさん(しかも、POPEYEのガールフレンド特集を読んで恋をしたくなりペアーズを始めたばかりらしい!)とメッセージのやり取りを楽しんでいた。
 メッセージのラリーも小気味よく進み、いよいよ会う約束をしようかなと思ったのだけれど、急に誘ったらまた無視されちゃうんじゃないかとビビっている自分がいた。そこで、ビデオデートをしてみることに。これはビデオ通話の機能で、メッセージが2ラリー続くと使えるようになる。この2年は友達とお酒を飲むのもリモートが多かったし、仕事でもオンラインでの打ち合わせが当たり前になった今だからこそ、電話するよりもむしろ気軽に始められる気がしたのだ。
 「よかったら、今度ビデオ通話しませんか? メッセージより、直接のほうが話しやすそうですし」
 答えはYES。メッセージからネクストステージに一歩前進! 事前にビデオデートする時間も決めておくとスムーズだった。僕の場合は平日の夜20時ごろ。お風呂に入っちゃう前の時間が、相手にとってもベストのタイミングだったみたいだ。

写真だけじゃなわからなかった人柄を知ることができるビデオデート。

 さぁ、いよいよビデオデート。ちょっと緊張。20時になったのでこちらから電話をかける。「ダイケイさん、こんにちはー」。繋がったー! 「うわっ、本物のBさんだ……」と何故か芸能人にあったような感覚になったのは、写真しか見ていなかったマッチングアプリでのやり取りならではなのかも。
 1回目のビデオデートは15分。ありきたりな感想だけど、一瞬で時間が過ぎてしまった。普段の仕事の話(なんとお互いに編集者だった!)、普段よく行く街の話(2人とも神保町が好きだった!)などなど会話のネタが尽きなかった。プロフィール写真や入っているコミュニティの情報だけではわからなかったBさんの雰囲気や、人柄が短い時間ながら知ることができたのはとてもよかった。
 2回目以降は60分の通話が可能らしいけれど、僕は1回目のビデオデートで今度はリアルで会う約束をしようと決めていた。そして、僕はついにBさんと食事に行く約束をした。通話しながらだと、メッセージを重ねるよりも、待ち合わせ場所や日時を決めやすい。会うのは次の土曜日。12月25日、クリスマスだ。

事前にビデオで話しているからはじめましての気がしない。

ーーークリスマス当日
 初めて会う場所は相談してお互いに好きな神保町にした。事前に伝えておいた書店の前で待ち合わせ。どっちから来るかな? とキョロキョロ。ペアーズをやっていた友達は、待ち合わせてみたらプロフィール写真と今の髪型が違ったり、服のテイストが違ったりしてなかなか見つけられなかったと話ていたけど……。
 「あ、Bさーん! こっちこっち!」。一度ビデオで顔を合わせているから、初めての待ち合わせでもすぐに見つけることができた! 「お会いできて嬉しいです! なんだか初めましての感じがしないですね(笑)」とBさん。直接会うのは初めてなのに妙な緊張もしないし、前もって話しておいてよかったぁ〜。サンキュー、ビデオデート!

まだまだ続くペアーズライフ。

 無事に待ち合わせられた僕たちは、クリスマスだけど南インドカレーを食べに行くことにした。というのも、Bさんがカレー好きのコミュニティに入っていて、事前にその話で盛り上がっていたから。「実は僕の卒業した大学すぐそこで(指差す)」、「え! 私も同じ! やっぱり神保町好きになりますよね。何学部でした?」と共通項も多くて会ってからも話が弾む。こうして僕たちはクリスマスムード一色の街に消えていくのだった。
 ペアーズに登録してまだ3週間ほどしか経っていないけれど、10人以上とマッチングして複数人と同時にメッセージを重ね続ける毎日だった。こんなに恋で忙しく、スマートフォンの通知に一喜一憂する日がくるなんて! いつか僕にも「彼女」が見つかるといいな。出会いがないと嘆いている人がいたら、とりあえずペアーズを使ってみるといい。どんな子がいるかを見たり検索してみるのは無料だし、まずはのぞいてみるだけでも。