ライフスタイル

勝手に、アーバンアウトドア自由研究!#1

都会でも使える、アウトドア生活術。

2021年11月16日

iIllustration: Shinji Abe
text: Ken Miyamoto
2012年8月 784号初出

 自然の中で遭遇する脅威。都会では起きないと思い込んでいませんか? 想定外なんて言い訳は通用しない! 何が起きても冷静に対処できるよう、日々シミュレーション。コンクリートジャングルをサバイブしよう!

熊に出合ったら

対処法は3つ。1つ目は、熊は蛇が苦手なので、紐状のものを投げて注意をそらして逃げる。2つ目は、組み伏せられた瞬間に熊の口の奥まで手を突っ込む。3つ目は、熊は横への移動は遅いので、斜面を見つけて右斜め上に逃げる。もし追いつかれたら振り向き様に蹴りをお見舞いすればOK。ただし、これは経験と勇気が必要な上級者向け。どれも夜道で熊のような暴漢に出合ったら使えるかも。

うまい野草、ヤバイ野草

商品化されないのが不思議なくらい、うまい野草として有名なのが「ギシギシ」(左)という雑草。道端などで比較的よく見かける種類だ。独特のぬめりがあり、みずみずしく、生で食べても美味しい。一方、間違えても手を出したくないのが、秋の七草「オミエナシ」(右)。見た目はかわいいが、花瓶に挿しておくと「事件か!」と思うほどの腐敗臭が漂うという。文献では「ネコのトイレ」と表現されている。

蜂から身を守る正しいポーズ

蜂から身を守る正しいポーズを知っているだろうか? 首は刺されると危険な急所なので、動かずにできるだけ体を地面に近づけて手で首を死守するのが正解。ちなみに、手は刺されること前提なので、覚悟しておこう。もう街中でスズメバチに出合っても怖くない。駅のホームや繁華街でスズメバチが来たら真っ先にこのポーズをとって「正しいポーズはこれ!」と周りに教えてあげよう。

仲間が気を失ったとき

真夏の屋上で友達が気を失ってしまった、そして、まさかの出口は封鎖。そんなとき、ボーイスカウトが得意とする、「スペインもやい」という高所から人を降ろすため技術が使える。絵からわかるように、救助されるほうは相当恥ずかしい格好を晒すことになるので、泥酔して迷惑をかける友達をこらしめるためにも、覚えておこう。慣れた手つきで結ぶと怪しまれるので、そこだけは注意。

雨を降らす方法

草野球の試合、自分のチームの流れが悪く、没収試合にしたいときに覚えておくと便利なのがこれ。カメムシをひっくり返し、棒で小突き、イライラさせるとその周辺だけ雨が降るという技、というかおまじない。メディスンマンのレジェンド「ローリング・サンダー」が得意としていたものだが、習得には相当な修業を必要とするので、野球の実力を上げるほうが早いかもしれない。自分に自信がない人は頑張って習得してみよう。

高所から飛び降りる方法

急遽アパートのベランダから逃げ出したい、というシチュエーション。シティボーイなら一度は体験するはず。そんなときにうってつけの方法を、元航空自衛隊救難降下員の後藤望さんに伺った。「思い切りジャンプし、『五点接地』という着地法を使いましょう。つま先→脛→腿→背中→肩先という順で、着地し、衝撃を分散させる技です。完璧に習得すれば、2階から飛び降りても無傷ですよ」


参考図書『マタギに学ぶ登山技術』(ヤマケイ山学選書)、『ローリング・サンダー』(平河出版社)、『うまい雑草、ヤバイ野草』(サイエンス・アイ新書)、『ロープ むすび』(ボーイスカウト日本連盟)