カルチャー
【#3】ラディカルローカリズム
2021年8月27日
text: Roger McDonald

ゲスト: 小川康(チベット医・薬剤師)、2020年
コロナ時代においての様々な規制や自粛は、いろんな意味で住んでいる地域について考えるきっかけにもなった。特に芸術文化がローカルなレベルでどうやってこれから発展するか?大都市に簡単に行けない時代、あるいは、これから気候危機が深刻化する中で簡単に海外に行けない時代において、地域で質が高い、興味深いアート経験を作っていくこと。私はこれを「ラディカルローカリズム」と呼んでいる。
私が住む佐久市では数年前からこのようなことを実践している。「レコードサンドウィッチクラブ」では2016年から少人数の参加者が集まって、高性能のシステムのレコードを一つみんなで聴いて、終わったらお茶とサンドウィッチを食べる、ということをやっていた。
2019年からは近くに住んでいる友人の澤文也と「シビック・リカバリー・センター望月」を設立した。これはもともと、音楽プロデューサーのブライアン・イーノが提唱したもので、小さなグループで集まって、共同的な芸術体験を体験する活動です。インド古典のラーガを朝7時にみんなで聴いたり、外で絵画作品鑑賞をしたり、地域に住むチベットの医者のお話を聞く会を作ったりしてきました。


名前の通り、私たちに大切なのは、市民レベルで芸術文化を通してなんらかの「回復」の体験をコレクティブで実践していくことです。これは特に大きな制度や予算がなくてもできることで、もう一回芸術の有用性を考えるいい実験でもあります。これからの時代では文化芸術は「偉い」制度だけに任すことではないと思います。もっといろんな地域で、多様でちょっとペテン師的な要素もある実験がキノコのように増えていくのが良いと思う。私にとってアート体験は重要なつながりを作っていく一つの手段でもあって、新自由主義の超個人主義に対して大事な「ブレーキ」で、集団的な喜びを実践する運動だと思う。
シビックリカバリーセンターを含む芸術の有用的役割や歴史について私がお話しするオンラインコースがあります。もっと知りたい人はぜひTASサイトをチェックしてください。

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