カルチャー
【#3】ごんぎつね
2021年8月25日
text: Shinsaku Nagata

「ごんぎつね」(偕成社)
小学生の国語の教科書にも載っている、童話作家である新美南吉の名作だ。
というわけでこの作品は、どちらかというと童話に挿絵がついているという絵本のタイプだ。黒井健さんの透き通るような絵は、この童話にピタリとハマっている。
よくタヌキは、古典落語や昔話でも哀愁のあるおっちょこちょい役としてよく登場するが、キツネはだいたい悪役、こざかしい奴、悪どい奴、むしろタヌキをいじめるやつとして出てくる。しかし作者の新美南吉の描くキツネは、哀愁が溢れている。彼の描く、キツネの”ごん”は一筋縄ではいかない。彼の繊細の物語に、先ほどのキツネの固定概念を忘れてしまうくらい引き込まれる。表面上のストーリーよりも、ごんのリアルな葛藤をよくよく読み込むと、ものすごく面白い。
だが正直、僕はこの作品に昔はそれほど惹かれなかった。なんだか教訓めいている気がしたし、単純に面白い、とは感じなかった。しかし、最近僕が30代にさしかかって、急に自分の中にヒットしたのだ。歳を経るごとに感じ方が変わる本であるのは間違いなさそうだ。
名作ゆえんの底力を感じさせる一作。
プロフィール
長田真作
ピックアップ

PROMOTION
宮津湾を一望する環境で、高齢者たちが健やかに過ごせるようケアを行う。
介護の仕事のことをちゃんと知ってみないか?
2025年10月9日

PROMOTION
〈マーガレット・ハウエル〉と過ごす大阪旅。
MARGARET HOWELL
MHL.
2025年9月24日

PROMOTION
クラシックなデザインを備える〈DAMD〉のカスタムカーで街も自然の中も走り回る。
DAMD
2025年10月9日

PROMOTION
〈ルルレモン〉×〈エレウォン〉この組み合わせは、まさに“Pairs Well”。
lululemon EREWHON
2025年10月10日

PROMOTION
〈adidas Originals〉とミュージシャンの肖像。#4
ゼンダマン
2025年9月18日

PROMOTION
『la Galerie du 19M Tokyo』で体感する、メティエダールの神髄と未来。
CHANEL
2025年9月17日

PROMOTION
ヌー・アバスと話す、ゴールドウイン 0のこと。
Goldwin 0
2025年10月10日

PROMOTION
〈マムート〉のエクストリームな進化が止まらない!
MAMMUT
2025年10月9日

PROMOTION
〈タトラス〉のダウンとともに未知の場所へ。
〈タトラス〉のダウンとともに未知の場所へ。
2025年10月10日

PROMOTION
僕と彼女とパサデナ。
BIRKENSTOCK
2025年9月17日