カルチャー
【#3】ごんぎつね
2021年8月25日
text: Shinsaku Nagata

「ごんぎつね」(偕成社)
小学生の国語の教科書にも載っている、童話作家である新美南吉の名作だ。
というわけでこの作品は、どちらかというと童話に挿絵がついているという絵本のタイプだ。黒井健さんの透き通るような絵は、この童話にピタリとハマっている。
よくタヌキは、古典落語や昔話でも哀愁のあるおっちょこちょい役としてよく登場するが、キツネはだいたい悪役、こざかしい奴、悪どい奴、むしろタヌキをいじめるやつとして出てくる。しかし作者の新美南吉の描くキツネは、哀愁が溢れている。彼の描く、キツネの”ごん”は一筋縄ではいかない。彼の繊細の物語に、先ほどのキツネの固定概念を忘れてしまうくらい引き込まれる。表面上のストーリーよりも、ごんのリアルな葛藤をよくよく読み込むと、ものすごく面白い。
だが正直、僕はこの作品に昔はそれほど惹かれなかった。なんだか教訓めいている気がしたし、単純に面白い、とは感じなかった。しかし、最近僕が30代にさしかかって、急に自分の中にヒットしたのだ。歳を経るごとに感じ方が変わる本であるのは間違いなさそうだ。
名作ゆえんの底力を感じさせる一作。
プロフィール
長田真作
ピックアップ

PROMOTION
夏待つ準備を。
Panasonic
2025年3月11日

PROMOTION
屋外でもアイロン、キャンプでも映画。
N-VAN e: を相棒に、オンもオフも充実!
2025年3月7日

PROMOTION
“チェキ”instax mini Evo™と僕らの週末。
FUJIFILM
2025年3月4日

PROMOTION
L.L.Beanの春の装い。
L.L.Bean
2025年3月7日

PROMOTION
足取りを軽くさせるのは、春の風と〈クラークス〉の『ポールデンモック』。
2025年3月3日

PROMOTION
Gramicci Spring & Summer ’25 collection
GRAMICCI
2025年3月11日

PROMOTION
“濡れない、蒸れない”〈コロンビア〉の新作スニーカーで春夏のゲリラ豪雨を乗り切る。
2025年3月7日

PROMOTION
この春、欲しいもの、したいこと。
Rakuten Mobile
2025年3月7日

PROMOTION
〈OLD JOE〉がソール・スタインバーグとコラボレーションするんだって。
OLD JOE × SAUL STEINBERG
2025年3月7日

PROMOTION
春から連れ添う〈イル ビゾンテ〉。
IL BISONTE
2025年3月3日

PROMOTION
いいじゃん、〈ジェームス・グロース〉のロンジャン。
2025年2月18日

PROMOTION
僕とアイツの無印良品物語。
2025年3月11日

PROMOTION
フレンチシックでカルチャー香る〈アニエスベー〉で街へ。
agnès b.
2025年3月11日