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介護の現場はこんなに変わってきた。/介護職・中村一真さん

介護の仕事って、今こんなにあたらしいんだ。

2026年10月16日

photo: Naoto Date
text: Neo Iida
2026年11月 955号初出

介護の仕事は、僕らが考える以上に変化を遂げている。
温かいスープを囲んで街のみんなが交ざり合い、誰もが主役になって共に楽しく暮らす。
最新技術が現場の負担をサポートし、職員と利用者がお互いを後押しする。
そんな介護から僕らが学ぶことは多いはず。だから、ケアの最前線にいる人たちを訪ねてみた。

テクノロジーを味方につけて、働く人にも優しい介護を。(介護職・中村一真さん)

利用者さんと一緒に、羽田空港の滑走路が見える屋上へ。自然と会話も弾む。

ICT技術をどんどん活用して、
介護を誰でもできる仕事に。

羽田空港の近くにある、サンタフェガーデンヒルズで働く介護職員の中村一真さん。この施設では睡眠や呼吸などを把握するセンサー、移乗を助けるリフト、スタッフ間で連携するスマートフォンなどICT(情報通信技術)ツールを活用した介護DX(デジタル技術を活用した業務の効率化)を実践している。利用者へのケアの質を上げ、職員の負担も減らす。双方にとって健やかな環境を目指して最新技術の導入を惜しまない。

「リアルタイムで健康状態が把握できたり、介助時の負荷が軽減されたりすればより細やかな対応ができるので、みんな意欲的です。覚えることも多いですが、都度オペレーションを模索する風土があるのがこの施設の魅力だと思います」

クイズ機能などを搭載し、利用者とのレクリエーションを盛り上げる人型ロボット。

中村さんが介護の仕事に就いたのは、介護の人手不足という社会問題に興味を持ったことがきっかけだった。

「まず介護施設とボランティアを繋ぐスタートアップでインターンを経験しました。よりリアルな課題感を掴むために小規模多機能型居宅介護事業所で働き、卒業後も勤務。転職を考えた際、介護DXで知られる善光会に興味を持ちました」

現在、10人が入所するユニットのリーダーを務める中村さん。利用者の生活は24時間365日続き「定時だからシャットダウン」とはいかない。

居室の起床や離床を検知し、職員のスマートフォンへ通知する機能も。

腕に付けるスマートウォッチ型端末。体温や血中酸素濃度を継続して確認できる。

介護記録を職員間で共有するサービスも活用。一覧になっていて見やすい。

介護ベッドのマットレス下に敷いておくだけで、睡眠状態や心拍、呼吸数を把握できるシート。夜間の見守りに役立つ。

様々なICTを介護のプロセスに取り入れ、ケアの向上と働きやすさの両立を目指す。

「読書家の利用者さんがいたんです。転んでしまったあと『何があったんです?』と聞くと『地球には重力ってもんがあってね』と返すユニークな方で。でも突然体調を崩されて救急搬送に。元気そうでもいつ容態が急変するかわからない。現実を目の当たりにしました」

責任は大きい。だが中村さんは「やりがいもたくさんあります」と言う。

「いい意味で介護を誰でもできる仕事にしていきたい。ICTなど新しいことに積極的に取り組んで、今後に貢献できたらと思っています」

職員が抱え上げる介護から機器を使う介護へ。ベッドからの移乗には吊り下げ式のリフトを活用している。人の力だけで抱え上げる介助は職員の腰への負担が大きいが、機器を使うことで体格差にかかわらず介助しやすくなる。

プロフィール

中村一真

なかむら・かずま|2001年、愛知県生まれ。大学在学中に介護業界に関心を持ち、世田谷区の小規模多機能型居宅介護事業所で勤務。卒業後も介護現場で経験を積み、現在は「サンタフェガーデンヒルズ」の特別養護老人ホームでユニットリーダーを務める。

インフォメーション

介護の現場はこんなに変わってきた。/介護職・中村一真さん

サンタフェガーデンヒルズ

東京都大田区、東糀谷エリアにある複合福祉施設。特別養護老人ホームをはじめ、ショートステイ、障害者支援施設、介護老人保健施設などを備える。介護DXに積極的に取り組み、センサーやICT、介護ロボットなどを現場に導入。ケアの質の向上と職員の負担軽減の両立を目指している。運営は社会福祉法人善光会。

Official Website
https://www.zenkoukai.jp/santafegardenhills/