TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#3】山のおみやげ/山菜編

執筆:Yuri Iwamoto

2025年10月28日

登山はスポーツであり、フィールドワークであり、総合的な文化体験と言えます。

登山口の樹林帯から、森林限界を抜けて稜線に出るまでの植生の変化は目まぐるしいし、ブロッケン現象などのおもしろい気象現象に立ち会うこともあります。さまざまな発見があり、小さな感動が絶えず体を巡る山での時間がわたしは好きです。なかでも特に血が騒ぐトピックがありますーーそれは、山中でのおいしいもの探し!

今回は、山で出会える”おいしいおみやげ”を、山菜編ときのこ編に分けてご紹介します。

※採取の前に
国立公園内での植物採取は原則禁止です。
また、私有地や入会地に無断で入ることもトラブルのもと。訪れる山域が誰の管理下にあり、採取は許可されているのかを必ず確認してから出かけましょう。場合によっては罰則を受けることもあります。

山菜編🌱

わらび/わらびたたき
アク抜きしたワラビをざく切りにして、塩昆布と合えてなじませたものをごはんにのせて頂く。山椒の葉も一緒にのせると最高! 本場、山形のたたきわらびはトロトロになるまで叩くのだが、わたしはニュルシャキ感を味わいたいのでこの解像度で完成としている。

ふきのとう/マスタードカレー
アク抜きしたふきのとうをマスタードカレーに。ココナッツの甘みとフェヌグリークの香りがふきのとうの苦味に合う。

ホタルイカとふきのとうは同時にとれるので、一緒に調理することが多い。

すす竹(根曲竹)/ディップ
すす竹が採れたらまずはコレ。サッと洗って魚焼きグリルでこんがりと焼く。時間が経つとアクが強くなってくるので、帰宅して即調理したい。塩やみそ、オリーブオイルマヨなどお好きなソースで! パンダの気持ちになれる一品。

すす竹/カルボナーラ
新玉ねぎをねっとり炒めたペーストで、こんがり焼いたすす竹の青臭さと香ばしさをまとめるパスタ。
毎年作る定番の一品。

コシアブラ/ごはん
わたしがここでわざわざ言うまでもないおいしさ。ごま油&みりんしょうゆコースか、バター&塩コショウコースかいつも迷う。

コシアブラ/ラビオリ
コシアブラを生地に挟み、ワンタンのような、ひもかわうどんのようなラビオリに仕立てる。

タラの芽/キッシュ
コシアブラやウド、タラの芽といったウコギ科の山菜はバターとよく合う!

昆布締め
昆布締め王国、富山に越してきてから覚えた調理法。保存もきき、旨みも増す! 春のオールスターズを昆布で閉じたさまは、さながら琳派のような美。

カタクリ/マリネ
地元の野菜売り場で、花ごとカタクリが売られているのを見て衝撃。保護されている植物というイメージだったが、地域によっては採取が認められているらしい。背徳感のあるその味は、ちゅるちゅるしていてほんのり甘い! 

ノゼリ/フォー
パクチー代わりに野芹をフォーにon。

山うど/ラムウド
山うどをラム肉とクミンシードでさっと炒めて、ラムパクならぬ「ラムウド」に!

雪が溶けてふきのとうが出てくると、そこから6月のすす竹登場まで、怒涛の山菜ラッシュが続きます。里でも山でも採れるものは、標高を変えれば長く楽しめます。そして、すす竹をとり終わる頃には、いよいよ夏きのこの季節が始まります、、!

次回はきのこ編です🍄‍🟫

プロフィール

Yuri Iwamoto

いわもと・ゆり|1993年、埼玉県生まれ。富山県在住。ガラス作家をしながら、夏は北アルプスの山小屋で暮らす。あまりガラスを飼い慣らしすぎないことがモットー。趣味は山菜採りやきのこ狩り。

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