TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
【#3】木の国ブラジルと、デザインのかたち
執筆:Gallery CASA DE
2025年7月23日
ブラジルの家具でまず印象に残るのは「木の存在感」だと思います。
ブラジル原産の木材は力強く、表情が豊かです。私たちが最初にブラジル家具に惹かれた理由も、まさにその部分にありました。どこかあたたかく、生活の風景にすっと溶け込むような存在感。それはもしかすると、木材が持つ性質や、その使われ方によるものかもしれません。今回は、「木」という素材を入り口に、ブラジルの家具や文化に宿る価値観を辿ってみたいと思います。
ブラジルに自生する熱帯植物
ブラジルは世界有数の森林大国です。アマゾンをはじめとする熱帯林には、ジャカランダ(ローズウッド)やイペ、インブイア、マホガニーといった魅力的な広葉樹が多く生育し、家具や建材、そして楽器など、さまざまな製品に応用されてきました。
1960〜70年代にかけて、こうした木材資源への国際的な需要が高まり、ブラジル政府も輸出産業として林業を推進。家具の分野でも多くの名作が生まれ、ブラジリアンウッドはブラジル家具の象徴とも言える存在感を放ちました。
リナ・ボ・バルディ《SESC Pompeia Chair》1986年。
ブラジリアンパイン材を使用したVintageの個体。
ジョルジ・ザウスピン《Componível Bookcase》1986年。
ジャカランダ、コルクなど複数の木材を使用したVintageの個体。
この流れに呼応するように、1975年に山形の家具メーカー「天童木工」が現地法人「テンドウ・ブラジレイラ」を設立し、1985年まで機能しました。ブラジル材と日本の職人技術の組み合わせは高く評価され、オスカー・ニーマイヤーやセルジオ・ロドリゲスなどの家具制作にも携わりました。
オスカー・ニーマイヤー《’Rio’ rocking chaise longue》1983年。
テンドウ・ブラジレイラ製造。Vintageの個体。
セルジオ・ロドリゲス《Mesa de Escritorio Tendo1》1977年。
テンドウ・ブラジレイラ製造。
一方で、1970年代以降は輸出用農産物の拡大や鉱物資源の開発などの影響で森林伐採が加速。数十年で日本の国土面積の1.5倍に相当する森林が失われたとも言われています。家具産業による消費はごく一部ですが、象徴的な木材の使用が注目を集め、木材利用全体への意識変化にもつながりました。
このような状況のなか、建築家リナ・ボ・バルディは「製品のために木の品種を指定するのは、人間のエゴかもしれない」と語り、その時々にある木を必要な量だけ使う、自然のリズムと共にあるものづくりの姿勢を貫きました。
ブラジルの家具づくりには、民芸品などに見られる先住民由来の手工芸文化が深く根付いています。素材の目利き、繊細な手作業、生活に根ざしたかたち。
ブラジルの家具を通して見えてくるのは、「木をどう使うか」だけでなく、「どう共に生きるか」という感覚なのかもしれません。どこか懐かしくて身近に感じるあたたかみは、素材を尊重し、手を動かすことに価値を見出す精神性に由来しているのかもしれません。それは私たち日本人にとっても、どこか通じ合う感覚として映るのではないでしょうか。
プロフィール
Gallery CASA DE
ぎゃらりー・かさで|ミッドセンチュリー期を引き継ぐアトリエによるリ・エディション家具からコンテンポラリー家具を取り揃えるギャラリーとして展開。展示会や企画展なども行っている。ショールームは予約制。Instagram、HP、電話のいずれかから問い合わせ可能。
Instagram
https://www.instagram.com/gallery_casade/
Official Website
https://gallerycasade.com/
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