ファッション

Less is Rich 少ないことは豊かなこと。

JOG編

photo: Ryohei Obama
styling: Shogo Iwayu
grooming: HORI
edit&text: Ayumi Taguchi (kontakt)

2025年7月22日

贅沢とは何か。それは価格や見た目の華やかさではなく、自分なりの価値を知っていることではないだろうか。この企画「Less is Rich」では、日々の習慣や選択の中にある”個人的な贅沢”をファッション的な視点で考えてみる。

今回は、ジョギングを始めるという贅沢について。

早朝のまだ誰もいない時間。一人で自分のペースで走り出す。暑さが本格化する前の澄んだ空気の中を、好きな音楽や風の音とともに、ただ走る。言葉にしなくても、それがとても贅沢な時間であることは、走ってみればすぐに分かるだろう。
特別な道具を揃える必要もなく、ランニングほど構えずに始められる手軽さもいい。走りやすい靴さえあれば、服装はいつものTシャツと短パンで十分だったりする。
重要なのは、タイムや速さを気にせずに走るということ。パソコンやスマホから離れて走っていると、気づけば頭の中が空っぽになっていく。自分が暮らす街を、歩幅で確かめるように走ってみると、「こんなところにパン屋が」「面白そうな店がオープンしたな」といった具合に、今まで気づかなかった風景や営みに出合うことだってある。
そんな発見もあれば、避難所の位置や土地の地形など、もしもの時のために、自分が住んでいる地域について知ることはこのご時世大切なことだと思う。
走ることで身につくのは、体力だけではない。地図を見なくても分かる道の感覚、地形の起伏、風の抜け方…。その土地との関係が、少しずつ自分の中に根付いていく感覚が生まれ、自分が住んでいる街のことをもっと好きになるかもしれない。

ジョギングを日課にできたなら、その時間はきっと、自分にとって贅沢な時間になっていくはず。そして、その時間をより大切に思ったとき、自分が共感できる価値観をもつブランドの洋服を選ぶことで、さらなる充足感を得られるのではないだろうか。

例えば、それが〈パタゴニア〉の洋服なら。
〈パタゴニア〉は、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」という理念を掲げている。これは、今私たち全員がシェアしている地球という資源を守るために、ビジネスを行うという意思表明だ。一人の力で環境問題に立ち向かうのは難しいかもしれない。でも、自分が応援したいと思える企業のプロダクトを選ぶことは、立派な選択の一つだと思う。それに、それが一番手っ取り早く行動できる手段でもあり、身につけることは、周りに表明することでもある。

ジョギングという行為そのものが、地面を感じ、風を受け、自然と向き合う時間になる。そんなときに身につける一枚が、地球のことを真剣に考えるブランドのものであれば、自分の時間はより”豊かな贅沢”になるに違いない。

フーディニ・ジャケット¥15,950、ストライダー・プロ・ショーツ5インチ¥12,100(すべてパタゴニア/パタゴニア日本支社☎0800・8887・447)スニーカー「kjerag 01」¥35,200(ノーマル/ノーマル公式オンラインストアカスタマーサービス☎03・5414・3154)

〈パタゴニア〉の80〜90年代のカタログにインスピレーションを受けて、自然を走り回るときは、ビビッドな原色を身につけてみたい。このオレンジのジャケットは、リサイクルナイロン100%使用したトレイルランニング用。雨や風などの悪天候、動きの多いアクティブなシーンにもきちんと応えてくれる頼もしさがある。何より嬉しいのは、その軽さと、コンパクトに畳めること。会社に行くとき、カバンに忍ばせておけば、思い立ったときにすぐ走りに行ける。そんなふうに、「いつだって走れる」という気持ちを持っているだけで、忙しい日々の中にも少しだけ余裕が生まれる気がする。フーディニ・ジャケット¥15,950、中に着たキャプリーン・クール・デイリー・グラフィック・シャツ¥7,700、ストライダー・プロ・ショーツ 5インチ¥12,100(すべてパタゴニア/パタゴニア日本支社☎0800・8887・447)スニーカー「kjerag 01」¥35,200(ノーマル/ノーマル公式オンラインストアカスタマーサービス☎03・5414・3154)ヘアバンド¥4,950(ハロ コモディティ/ラン ボーイズ!ラン ガールズ!@runboysrungirls

大地を感じるために、時間を気にせず走ってみる。ジョギングは、自分のペースで。

イエローが眩しいランニングショーツも、〈パタゴニア〉のもの。パタゴニア製品の中でも、「最もテクニカルなランニングショーツ」と称されている。重さ107gと超軽量ながら、スマホや鍵、軽食など、必需品を収納できるポケットが5つ付いているから、長めのランでも安心。吊り下げて干すのに便利なループまでついているから、旅先にもぴったり。ストライダー・プロ・ショーツ5インチ¥12,100、フーディニ・ジャケット¥15,950(すべてパタゴニア/パタゴニア日本支社☎0800・8887・447)ボトルホルダー¥3,300(グレートコッシーマウンテン/ランボーイズ!ランガールズ!@runboysrungirls

アウトドアスポーツに欠かせないのが、サングラス。ロサンゼルス発の〈グダー〉は、ランナーのために作られたブランドで、「滑らない・跳ねない・軽くて丈夫」がコンセプト。実用性に優れていながら、ハイエンドモデルでも6,500円以下という気軽さもいい。ノーズパッドは自分の鼻に合わせて曲げることができるので、ストレスなくジョギングに集中できる。サングラス「LAWN MOWER DRAG RACE」¥6,490 ※7月末〜8月初旬から発売予定(グダー/☎072・728・2781)、ヘアバンド¥4,950(ハロ コモディティ/ラン ボーイズ!ラン ガールズ!@runboysrungirls)

そして最後に、ジョギングを始めるなら真っ先に揃えたいのが、シューズ。〈ノーマル〉のスニーカーは、世界的な山岳アスリート、キリアン・ジョルネが立ち上げたブランドのもの。スペインの老舗シューズブランド〈カンペール〉とタッグを組んで、自然を楽しみ、敬うという気持ちを込めて作られている。全ての製品がスペインのマヨルカ島でデザインされて、キリアン氏がトレーニングを積むノルウェーでテストされているから丈夫さは約束されている。「kjerag 01」というモデルは、スピードや軽さ、強さを追求して開発されたモデル。滑りにくく、足に馴染むように工夫されたソールは、長距離でも水膨れになりにくく、通気性と耐久性も抜群。総重量はわずか200gと、とにかく軽い。雪道やぬかるみも走り抜けられるグリップ力があり、どんなコンディションにも頼もしく付き合ってくれる。スニーカー「kjerag 01」¥35,200(ノーマル/ノーマル公式オンラインストアカスタマーサービス☎03・5414・3154)