フード

パン粉を炒る、ボンゴレビアンコ。

定番料理のニューディール。Vol.14

定番料理のニューディール。

photo: Haruki Anami
illustration: Cari Vander Yacht
text: Ryota Mukai
web edit: Miu Nakamura
2025年6月 938号初出

2025年5月10日

『BEARD』店主・料理人の原川慎一郎さんによる本誌の連載「定番料理のニューディール」。みんなが好きなお決まりのメニューを再考し、カンタンに、そしてちょっとお洒落に作る方法を料理人の原川慎一郎さんが提案します。POPEYE Webではそのレシピをムービーでご紹介。第14回はボンゴレビアンコ!

パセリとにんにくの香りがパッと立ち上ってくる一皿。蒸して口が開いたらすぐ取り上げたあさりはプリプリで、サクサクなパン粉との食感のコントラストが最高だ。殻でこそげるとあさりの身は取りやすく、貝柱もしっかり掴めてもぎ取れる。余すことなく味わおう。

– 材料(2人分)-

・スパゲティ 200g
・玉ねぎ (みじん切り)大さじ1
・あさり 300g
・パン粉 20g
・イタリアンパセリ 1パック
・レモンの皮 適量
・にんにく 2片
・バター 15g
・塩 適量
・オリーブオイル 大さじ2

赤かぶサラダ
・赤かぶ 1個
・玉ねぎ 1/8個
・レモン 1/2個
・フェンネル 適量
・塩 適量
・オリーブオイル 大さじ1

– 作り方 –

1. 弱火にかけたフライパンでバターを溶かします。泡立ったら、パン粉とにんにくのみじん切り(1片分)、塩ひとつまみを加えて炒りましょう。

2. たっぷりの湯に塩を加え、パスタを投入し茹で始めましょう。規定の1分前に上げてください。

3. オリーブオイルを入れたフライパンを中弱火にかけます。粗めにカットしたにんにく(1片分)を入れ香りが立ったら、玉ねぎ、あさり、パスタの茹で汁(100㎖)を加え蓋をします。

4. 開いたあさりを取り出し、ボウルに移します。すべて取り出したら、フライパンの出汁を味見して、必要であれば塩を足してください。

5. フライパンにパスタを入れ、よく混ぜ乳化させます。パセリのみじん切り、炒ったパン粉(各大1)を加えて混ぜた後、あさりを戻し和えます。

6. 盛り付けです。最後の仕上げに残りの炒ったパン粉とパセリのみじん切り、削ったレモンの皮をふりかけましょう。

-赤かぶサラダ-

赤かぶのスライス、玉ねぎとフェンネルのみじん切り、レモン汁と塩をボウルで合わせて冷蔵庫へ。食べる直前にレモン汁、オリーブオイルと和えて、塩、削ったレモンの皮をふります。

– 今月の古来種 –

パン粉を炒る、ボンゴレビアンコ。

長崎赤かぶ

江戸時代に栽培され始めた、長崎の伝統野菜。濃く、鮮やかな赤紫色と、柔らかな食感が特徴。「優しい甘味が魅力なので、そのまま生でサラダにするのがおすすめです。もちろん煮てもおいしいですよ」

古来種野菜とは? 品種改良されず、日本各地の畑で長きにわたり受け継がれてきた種の野菜のこと。在来種ともいわれる。「野菜の民芸品のようなものです」

– 小さな流儀 –
パスタはざるに入れたまま茹でる。

茹で汁を捨てずに、さっと湯切りするためのベストアンサーがこちら。原川さんが使う〈ヨシカワ〉のステンレス茹であげザル(25㎝)は、底面が広くて鍋にフィットするし、取っ手が2つあって安定感も抜群だ。

プロフィール

パン粉を炒る、ボンゴレビアンコ。

原川慎一郎
『BEARD』店主

はらかわ・しんいちろう|1978年、静岡県生まれ。長崎県雲仙市でレストラン『BEARD』を営む。北海道函館市のカフェ『cafe water』のオーナーでもある。

Instagram
https://www.instagram.com/beard_shin_harakawa/