TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#3】野鳥を「見ている」のではなく……。

執筆:レイザーラモンRG

2025年1月24日

日本野鳥の会 会員のRGが昨年2024年に成し遂げた最大の仕事は、2025年2月24日まで国立科学博物館にて開催している『特別展「鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~』の音声ガイドを任されたことでしょう。

この偉業、例えるなら地上波でサッカーワールドカップの日本戦の解説…いやそれは言い過ぎ…副音声を任された、みたいな?

RGは野鳥でそこまで登り詰めました。
よく頑張った。感動した。
(小泉純一郎)
自分で自分を誉めてやりたい。
(有森裕子)

さて、その音声ガイドで「鳥は恐竜から進化した」部分を読ませてもらった時、「あれ?今人間中心の地球だと思ったけど、結局今地球を支配してるのは鳥なんじゃね?ていうことは地球ずっと恐竜に支配されてんじゃね?」と思うようになりまして。

大飯食らいで体が大きくなりすぎた恐竜は隕石衝突とか氷河期突入した際に「これは今後地球で生きるにはコスパ悪すぎるで」と体を小さく軽くしエサも最小限でいける体にしていきました。そして「寒いとこから暑いとこ、暑いとこから寒いとこ行くのに歩いて行ってたらタイパ悪いで」と気付き寒すぎず暑すぎない、エサも豊富な場所に「自力」で「飛んで」行けるように進化していきました。人間は車や船や飛行機がないと遠くに行けないというのに自らの体一つでサラッと国境を越える鳥たち。

それがさらに各地で多様化して天敵が登ってこれない断崖絶壁の岩場に巣を作ったり森の奥はエサがなくなったから都会の生ゴミを漁り出したりと環境への順応性も人間とは比べものにならない鳥たち。着飾ったりカラコン入れたりタトゥー入れたりして自己顕示欲の固まりの人間って生き物を嘲笑うかのような美しい配色や美しい造形の野鳥たち。恐竜も実は鮮やかな毛が生えていたとの研究結果もあり、おしゃれの面ですら人間は恐竜〜野鳥のラインに勝ててないのです。

野鳥を見ていると車やマンションや時計や服…全て要らないものなんだと気づかされます。甘い物や揚げ物や炭水化物も要らない、野鳥のように旬のモノを一番美味しい時期に少しだけ食べることができればそれでいい。地球に最も適した地球の支配者、意識高い人間も憧れる究極の生活をしている生物…。それが鳥たちなのです。

だからRGはバードウォッチングで「野鳥を見ている」わけではなく「美しい御姿、抜群の運動能力、地球を制覇した究極の生物」という憧れの目で見てます。世界最高峰の気高いスポーツ選手を見てる感じに近いかな?

そういえば世界最高峰のサッカー選手の集合体ブラジル代表は「カナリア軍団」と呼ばれてますね。鳥ですね。

そんな鳥たちの剥製が大集合!猛禽類勢揃いのコーナーなんて銀河系最強軍団かよ!ってなっちゃう特別展「鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~」2025年2月24日(月・休)まで国立科学博物館にて開催してますのでぜひ。

プロフィール

レイザーラモンRG

1974年、愛媛県生まれ。同志社大学のプロレス研究会に所属していたHG、立命館大学のプロレス同好会に所属していたRGが交流戦で出会い、1997年7月にコンビ「レイザーラモン」を結成。その後、吉本興業に所属しプロデビュー。2000年には、「ABCお笑い新人グランプリ」で審査員特別賞を受賞し、コンビで東京進出。『R-1ぐらんぷり』では、2度の決勝進出を果たすなど精力的に活動し、近年ではものまねのレパートリーも広げている。芸能界きっての鳥好きとしても知られ、『国立科学博物館』で開催中の特別展「鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~」では音声ガイドを担当するほか名誉トリバサダー にも就任。