TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#3】佳代子のクリスマス公演

執筆:大久保佳代子

2024年12月29日

 先日、テレビ番組のロケでパリへ行ってきました。1泊4日の弾丸スケジュール。14時間のフライトの後、着替えてメイクをしてすぐさまロケスタート。寒いし、眠いし、もろもろ浮腫むし、間違いなく絶不調だったはずなのに…。クリスマスのイルミネーションだらけの街並みを歩いたら、すぐさまテンションアップ。小さな古い遊園地で開催されているクリスマスマーケットは、メリーゴーランドが回転する横でホットワイン&ジャガイモ料理などの屋台が。基本、180度、つまり一文字に結びがちな口角が、気づいたら往年の岡本夏生さんのハイレグの角度並みに。ヨーロッパのクリスマス、半端ないです。

 子供の頃、我が家のクリスマスは超絶ドライで。母親がスーパーで買ってきたケーキを食べる程度で、サンタさんからプレゼントを貰った記憶はない。母親が「サンタさんは来ないから、代わりにおもちゃを買ってあげる」と駅前のおもちゃ屋『エンゼル』に連れていかれ、3000円しばりでプレゼントを買ってもらった。友達の家は「サンタさんが枕元に置いていった」とか「靴下の中に入っていた」など話している中、どこか冷めた子供だったのもあり、「我が家はサンタの配達ルートに入っていないのかな」と。なんて可愛げのない子供だとお思いでしょうが、実はそうでもなく。少女・佳代子はクリスマスイブの夜、母親に買ってもらったおもちゃを自ら枕元にセットし就寝。朝起きて、あたかも今、プレゼントの存在に気づいたかのごとく「サンタさんが置いていったの?」と驚く素振りを。「クリスマスの朝の子供」という一人芝居を親に見られないようにこっそり上演していたのです。本当はクリスマスを楽しみたかったんだよね。当時の佳代子に、パリのクリスマスを見せてあげたら嬉ションしちゃうだろうな。

プロフィール

大久保佳代子

おおくぼ・かよこ|1971年生まれ、愛知県出身。大学時代に幼なじみの光浦靖子とお笑いコンビ「オアシズ」結成。「ノンストップ!」(CX系列)、「ゴゴスマ」(TBS系列)レギュラーなど、多数のバラエティを中心に活躍中。