TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#1】アナザーハーフ、初めての日本ツアーとクラトムティー

執筆:Soft Pine

2024年10月10日

Soft Pine


text: Soft Pine
cooperation: dom
edit: Miu Nakamura

 皆さん、初めまして。

 今回は、僕らの最新アルバム「アナザーハーフ」がどのようにして出来上がったのかを、いくつかエピソードを交えながら話していこうかと思います。 お好きな飲み物を用意して、リラックスして読んでくださいね。

 2023年2月、成田国際空港に到着。 念願だったSoft Pine初の海外ツアーがいよいよ始まる。 入国審査もスムーズに終わり、成田エクスプレスを探しながら音楽機材と荷物を運んでいると突然、インタビュアーが何人か僕たちのところにやってきて、「なぜ日本に来たのですか? 」と尋ねてきた。僕たちは東京と沖縄でライブがあることを伝え、そして彼らに、「タイのバンコクから来たSoft Pineというバンドで、仲の良い友達同士で音楽を作っているような感じです」と自己紹介をした。 彼らは本当に親切だったし、会話も盛り上がったので、しばらく会話やインタビューを楽しむことに。後からこれが「YOUは何しに日本へ?」 という日本の有名な番組であったことを知った。これが放送されるかと思うと、突然のことだったし…面白くもあったけど、結構緊張する出来事だった。まあ、この話が最新アルバムに影響をしたかというと、特にそんなことはないのだけど。

 東京の気温は2〜6度くらい。僕たちにとって初めての海外ツアーだったので、全てが現実のことのように思えなくて、まるで夢の中にいるようだった。 渋谷駅に着くと、ここではすべてが速いことに気づいた。バンコクよりも全然早くて、つい僕たちのテンポも速くなった。最初のライブの場所は、世田谷のライブハウス「FEVER」。 ここで本当に驚いたのが、こんなに遠くの土地に僕たちの音楽を聞いてくれる人がいるということだ。しかも目の前で彼らの目の前で演奏して、直接リアクションを感じとることができるなんて。あの瞬間を昨日のことのように覚えている。ライブの後、彼らは僕たちに挨拶をしに来てくれて、少し話もすることができた。あれは、本当に本当に良い夜だった。その他にも、美味しいご飯を食べたり、代々木公園を散歩したり、電車を乗り間違えたり、はたまた会ったばかりの人と仲良くなったり。ライブ以外にも本当に良い時間を過ごすことができた。このツアーが僕たちの心に火をつけ、バンドに対する思いを変えるきっかけとなった。音楽には人をつなぐ力があるのだ。

 ツアーが終わり、僕たちはアップテンポなエナジーとワクワクする気持ちを抱え、帰路についた。 まず思ったのは、とにかくすぐに新しいアルバムの制作に取りかかりたいということ。 よりエネルギッシュで爽やかなもの。それが今回の新しいアルバムで目指したメインとなる2つのフィーリングだ。 よりエネルギッシュなアルバムを作るため、まずは自分たちにエネルギー補給を。僕たちは「クラトム・ティー」という、タイのローカルエナジードリンクをアルバムをレコーディングするおよそ4ヶ月間、ずっと飲んでいた。いいレコーディングにはいいエナジーがいるからね。これは「クラトム」という地元タイのハーブが使われていて、僕らの気持ちもエナジーも高めてくれる。クレイジーな日常をやり切るためには、相応の活力がいる。僕たちは乗り越えるためのエネルギーを必要としていた。 そしてそれと同時に、そのエネルギーを他の人々に還元することもできるのだ。

「クラトム・ティー」を飲めば、僕たちは超エネルギッシュになれたし、レコーディングにもそのエネルギーをぶつけることができた。 弾けるような高揚感のあるサウンドとスピリットでリードしている。 正直なところ、このアルバムはクラトムがなかったらこうはならなかっただろう(笑)。

 そして2024年10月、私たちは3度目の日本ツアーを行います!これを読んでいるあなたとダンスフロアで会えると良いのだけど。

 今日はこの辺で。次回、またお会いしましょう。

プロフィール

【#1】アナザーハーフ、初めての日本ツアーとクラトムティー

Soft Pine

そふと・ぱいん|タイ・バンコク出身の4人組インディーズロックバンド。2018年結成。最新アルバムである『Another Half』は今年7月に日本盤もリリース。現在はアジアを中心にツアー中で、10月に来日予定。10月19日に開催される東京でのライブはこちらをチェック。

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